NTT（9432）は、音楽圧縮技術“Twin VQ”の処理速度を従来比3倍の高速化に成功した。今月17日から東京・有明で開催されるWorld PC Expo 2000で発表、実演する。もともと圧縮率が高く高い評価を受けていた同技術だが、難点とされていた処理速度をスピードアップすることでパソコンレベルでも使いやすいものになった。

　 圧縮技術のポイントは、音楽データの楽音と呼ばれる時系列に沿って分割した個々の部分をベクトル化する際に、隣り合っているような類似度の高いデータについては最も近いものだけを蓄積する仕組み。CD並みの音質を保ったままで情報量は最大18分の1にまで圧縮する。

　 しかし、圧縮率が高い分、作業に時間が掛かっていため類似時計算のアルゴリズムを新開発した。さらにベクトル演算に効果を発揮するCPUをフル活用するプログラムを組み、およそ3倍の高速化を実現した。