情報は時とともに劣化する・・・

　 【1面トップ】
　 ●「地方主権」の時代
　 お年寄りが支払う介護保険料が市町村によって異なるとしたら？　バカ高な保険料を徴収する町から安い保険料で充実したサービスを提供してくれる町に移り住む老人が増えていくかも・・・

　 朝日の調査によると、低所得の高齢者からの徴収を独自の施策で減免する市町村が全国で67もあった。「全国一律」にこだわる厚生省が「制度としての信頼感を失わせる」として注意を促したそうだが、自治体側は「自治体の裁量の問題」と聞く耳を持たない。朝日は「今後も減免の動きは広がりそうだ」と報じている。

　 ◇三菱商事（8058）・日本衛星放送（WOWOW）・NTTドコモ（9437）、NTTコミュニケーションズの5社が次期CS（通信衛星）デジタル放送に共同で参入することで合意した、と日経が報じている。

　 電子商取引や映像のダウンロードなどの「高機能サービス」が期待できる次期CS放送事業には、CS放送最大手のスカイパーフェクト・コミュニケーションズも東日本電信電話（NTT東日本）と共同で参入する方針を決めており、日経の記事が本当なら2大連合の間で覇権争いが繰り広げられることになる。

　 ◇ストーカーや暴力団から被害を受けた人が警察に駆け込み、狼藉者の手から逃れても、出所後の「お礼参り」に遭ったのでは元も子もない。読売によれば、法務省は被害者が希望した場合に限って、受刑者が出所した時期を通知する方針を固めたという。

　 ◇このほか産経は、自民党選挙制度調査会の前会長が作成した「外国人地方参政権問題に対する見解」の素案。毎日は、韓国政府が北朝鮮に対し50万トンの食糧支援を実施するというニュース。東京は、ドーピング違反で金メダルを剥奪されたルーマニアのラドカン選手（体操女子個人総合）の記者会見をトップに持ってきた。

　 【IT】
　 ●「うっかり」で申告漏れも・・・
　 インターネットを利用した電子商取引への課税は、国際間でも大きな課題になっているが、今年6月時点で東京・大阪・名古屋国税局の「電子商取引専門調査チーム」が税務調査で74件、総額20億9,400万円の申告漏れを指摘（各紙）。国税庁によれば「摘発されたのは、ほんの一部に過ぎない」という（毎日）。

　 申告漏れの中には意図的に脱税しようとしたケースも多数含まれているが、無知による無申告も目立ち、「まさか調査を受けるとは思わなかった」というケースも多いようだ。

　◇28日開かれた電気通信審議会の公聴会でNTTの宮津純一郎社長が、光ファイバー網の解放義務付けを容認する考えを表明。これを受け郵政省は、12月開放実施の方針を決め、NTT東西地域会社の光ファイバー網が同月から他の通信事業者に開放される見通しになった、と日経が報じている。

　 【トピック】
　 ●日・シンガポールFTA締結へ
　 シンガポールで開かれていた日本とシンガポールの自由貿易協定（FTA）締結を巡る官民専門家会合の最終報告書がまとまり、きょう正式発表される。これを受けて来月行われる森喜朗首相とゴー・チョクトン首相の首脳会談で、2001年1月からの本交渉入りが決まる（各紙）。

　 単なる市場統合から経済統合に踏み込む日・シンガポールFTAの解説は「話題最前線」に掲載されています。

　 ［メディア批評家　増山広朗］