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コラム 瓦版一気読み(9月28日) |
情報は時とともに劣化する・・・
【1面トップ】 北朝鮮が鉄鋼増産に向け、製鉄所の設備改良や新設備導入などの支援を日本の鉄鋼メーカーに求めてきたというニュースの情報源は「鉄鋼業界の有力筋」。鉄鋼業界で聞いた話なら、「鉄鋼業界筋」あるいは「鉄鋼業界関係者」で十分なのに、仰々しく「鉄鋼業界の有力筋」と表現したワケは? 言わんとしているのは、「この記事、ヨタじゃないよ、ホントの話だよ」ということか。 ◇「筋」の話をもう1つ。自衛隊幹部がロシアに自衛隊の秘密情報を売り渡していた事件の続報を朝日がトップに持ってきた。護衛艦の攻撃システムに関する情報も売り飛ばしていたことが「関係者」の証言で分かったという。 この「関係者」、どの筋だと思います? 事件絡みの「関係者」は、九分九厘司法当局者。つまり警察か検察で、この場合は、自衛隊幹部を逮捕した「警察」が「関係者」のはずです。 ◇では、毎日が報じた、そごうが約300億円の損失を関連会社に移し替えていたことが「関係者の証言で分かった」というニュースの「関係者」とは? これは・・・、分かりません。 毎日が「300億円」なら、読売(社会面)は「1,800億円で対抗」。そごうグループが海外事業で約1,800億円の損失を出していたことが明らかになったという。 ◇中小企業のサラリーマンなどが加入している政府管掌健康保険(政管健保)が、制度の手直しなく現状のまま推移すれば、2002年度末に破綻状態に陥ることが厚生省の試算で明らかになった。トップで報じたのは産経。医療保険制度の抜本的な見直しが必要なのだが、医師会と健保連の主張が対立、利害調整は難航しているという。 ◇このほか、読売は26日朝刊でスクープした宇宙開発事業団の大型ロケット「H2A」に関するニュースの続報。日経は、中国の大手国有企業が海外市場で資金調達に乗り出すという記事がトップ。 ◇昨日の五輪の戦果は、レスリング・グレコローマン69キロ級の永田克彦の「銀」どまり。女子ソフトやシンクロの「銀」よりも格下と見たのか、 トップ扱いとはならなかった。冷たいねえ。
【IT】 ◇米マイクロソフトが、企業向け基幹コンピューター用ソフト群「エンタープライズ2000」を発表(各紙)。これまでの個人向けOSを重視した戦略から、企業向けコンピューターソフト分野への本格参入を目指す。
【トピック】 ゼロ金利の解除を待っていたかのように、一部のマスコミが「企業倒産で日本経済はパニックに陥る」などとネガティブ・キャンペーンを展開したが、ゼロ金利の解除の「功罪」の「功」にも目を向けよう。ということで、朝日が「日銀決定から1カ月半」を経済面に掲載。 機関投資家が運用する短期資金が、普通預金からコール市場やCD(譲渡性預金)に大量シフト、「日々の金利変動や先行きを予想して資金の運用先を切り替える『市場機能』が息を吹き返してきた」という。 [メディア批評家 増山広朗] ■URL・瓦版バックナンバー http://www.watch.impress.co.jp/finance/kawaraban/
2000/09/28
17:03
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3/30(金) |
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