ニチメン（8004）は26日、ビルのテナント企業を対象とするインターネット高速アクセス事業「CLEC」（Competitive Local Exchange Carrier）に進出すると発表した。8月10日に同社が96％出資して設立した事業会社「ブロードワン」が、通信大手の「ケーブル・アンド・ワイヤレスIDC」とネット接続で包括的な業務提携を行い、1.5Mbpsの高速・広域帯接続サービスを手がける。まず、10月10日から東京都港区の世界貿易センタービルで開始する。

　 同社はその後、三菱地所（8802）が所有する丸の内・有楽町の大型ビルや、港区の三田NNビル、ダイビル（8806）が所有する大阪・堂島の新ダイビルなどで順次スタートさせる。東京、大阪、名古屋の大都市圏を中心に、2001年度までに約200棟以上のビルで2,000～3,000社程度の顧客を獲得、年間売上約10億円を目指す。

　 ブロードワンでは、自社で調達する光ファイバー回線でビルとインターネット網を直結し、米国のxDSL技術開発会社でニチメンが日本での独占販売総代理権をもっているアキュコム（ニチメンが13％出資）のDSL装置を組み合わせることで、高速・高品質な接続を可能にしたという。

　 月額利用料金も、従来の30万円以上に対して2分の1から3分の1程度に抑えられるとしている。例えば、1.5Mbpsのプロバイダー接続料（通信費込み）は月額9万5,000円で、同業他社より7割強割安のケースもあるという。また、システムや技術面のサポートはトラストシステムが担当する。同社はブロードワンに4％出資している。