トヨタ自動車（7203）は25日、グループ企業などと共同でIT関連技術の研究・開発を行う新会社「トヨタアイティー開発センター」を2001年1月に設立すると発表した。さらに同年4月には新会社の100％出資で、同様の事業を手がける米国法人も設立する計画。カーマルチメディアなどのITS（高度道路交通システム）事業やEコマースのGazooなどIT事業の展開を強化するトヨタが、IP（インターネット・プロトコル）などについて、自前の技術開発力の強化にも乗り出す。

　 東京都目黒区に本社を置く予定の新会社は、トヨタ、デンソー（6902）のほかDDI（9433、10月からKDDI）、豊田通商（8015）、アイシン精機（7259）、京セラ（6971）、豊田合成（7282）各社の出資で、資本金は20億円の予定。出資比率は調整中だが、トヨタが全体の3分の2程度を出資する。2001年4月までには資本金を30億円に増資し、米国子会社の設立につなげる。会長には富士通・特命顧問の鳴戸道郎氏、社長にトヨタ常務の本並正直氏（いずれも非常勤）、取締役所長には走行支援道路システム開発機構常務理事の光田直郎氏が就任する。

　 モバイルやインターネットを中心とする市場調査や商品化に向けた技術開発、ビジネスモデルの発掘と開発、IT人材の獲得と育成―などを手がける。スタート時は30人程度の社員を置く。また、米国法人はカリフォルニア州シリコンバレーに立ち上げる。資本金10億円程度で、当初は社員10人を配置する。