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「日本の政治を読む」~もうひとつの“IT 革命”とは

  【主な政治日程】

  ▼25日(月)各党代表質問(27日まで)
  ▼28日(木)衆参両院予算委(29日まで)
         長野県知事選告示(10月15日投票)

  【今週の焦点】
  ●臨時国会、早くも会期延長が取りざた
  第150臨時国会は25日から、森喜朗首相の所信表明演説を受けた各党代表質問と予算委員会での論戦が始まる。今国会は、森首相が所信表明演説で「5年後に世界の情報通信の最先端国家に仕上げる」と大見得を切ったIT基本法案のほか、健康保険法改正案など約20本の法案、条約案が提出される。臨時国会としては異例の重要法案ばかり。

  しかし、あっせん利得処罰法案や比例代表を非拘束名簿式に変える公選法改正案など与野党対決法案が多いのに加え、自民党内でも議論が真っ二つに割れている永住外国人への地方参政権付与法案などもあり、12月1日までの会期内成立が危ぶまれている。このため、早くも会期延長の可能性が取りざたされているが、来年1月6日の中央省庁再編を前に内閣改造と2001年度予算編成が控えており、長期の延長は不可能な状態。

  【先週のポイント】
  ●共産党の“革命”は間近か
  共産党が19日の第7回中央委員会総会で党規約を42年ぶりに全面改定し、「社会主義革命」や「前衛政党」などの表現を削除するとともに、有事も含めた自衛隊出動を容認することを初めて明記した。先の衆院選で6議席減の20議席と惨敗したことから踏み切ったものとみられるが、政党の憲法ともいうべき綱領には当面手付かずのため、各党ともまだ共産党の“変身”を信用していない。

  自民党の加藤紘一元幹事長も「終わりの始まり。いずれ共産党はなくなる」との見方。しかし、不破委員長は記者会見で将来の綱領や党名変更にも言及しており、同委員長の退陣や党名変更などの“革命”が近い将来起きる可能性は否定できない。

  ●秘書給与詐取事件は影響せず~民主
  時事通信社の9月の世論調査によると、各党が軒並み支持率を減らす中で、民主党が前月比0.2ポイント上昇し8.9%となり、また無党派層の政党好感度でも18.5%と初めてトップに立った。秘書給与詐取の疑いで同党を除名、起訴された山本譲司前議員の事件は影響しなかったようだ。一方、森内閣の支持率も1.1ポイント上昇して21.3%と、「低位で奇妙な安定飛行」が続いている。

  ●金大統領に内政干渉の疑い
  23、24両日、静岡県熱海市で行われた日韓首脳会談で、金大中大統領は与党内でも意見が割れている永住外国人地方参政権付与法案の年内成立や北朝鮮への大規模コメ支援などを要請した。国論が二分されている問題に首脳会談で言及することは内政干渉のそしりを受けかねない。金大統領は本来こういうことに最も気を使う政治家だったが、さすがの大統領も“金正日マジック”の術中にはまったか。

  ●もうひとつの“IT革命”
  堺屋太一経企庁長官が提唱した「IT講習券」がバラマキ批判を受け、たちまち見送りとなる中で、政界ではもうひとつの“IT 革命”がささやかれている。この「IT 」の「I」は石原慎太郎都知事で、「T」は田中真紀子衆院議員のこと。いずれも来夏の参院選後の政界再編の主役になるのではと語られているもので、この仕掛人として小沢一郎自由党党首が動いているとうわさされている。

  [政治アナリスト 北 光一]


2000/09/25 09:25
3/30(金)
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