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G7でも打開策見出せず?~原油高騰に打つ手なし |
「即効性のある手立てはない」(通産省首脳)――。原油価格の高騰に世界が悲鳴を上げている。湾岸危機以来、10年ぶりという原油価格の高値は、沈静の兆しさえ見えてこない。この水準が今後も続けば、消費国の物価が上昇、その結果、企業収益が圧迫されるばかりか、これを引き金に景気そのものも後退局面に陥る最悪のシナリオが待ち受けている。23日からプラハで開かれるG7(7カ国蔵相・中央銀行総裁会議)でも、本来ならば中心議題となる金融・経済問題を脇に置き、原油価格の高騰が最重要テーマとして浮上してきた背景には、この問題の差し迫った深刻さがある。
●投機資金が大挙して 強まる需給逼迫感。これに乗じて「ヘッジファンドなど投機筋の資金が大挙して原油先物取引になだれ込み、原油価格を高止まりさせている」(エコノミスト)のが現在の状況だ。原油とは本来関係のない金融取引のプロの餌食(えじき)となり、原油価格沈静化の絵が全く描けなくなっているわけである。 米国では、この原油高を受けて業績を下方修正する企業が相次ぎ、株・債券相場はそれに合わせて下落。欧州 やアジア諸国でもその影響は広がりつつある。IT革命の進展に伴う近年の生産性向上がなければ、その影響はもっと早く、そしてもっと大きくなって現れていたのかもしれない。
●株式市場に飛び火も では、注目のプラハG7でこの難問の打開策がまとまるかといえば、その可能性は薄く、「各国の蔵相は聞き慣れない原油問題が議題となり、対応に苦慮するだろう。原油高への懸念を表明するのが精一杯では」(金融筋)との悲観的な見方が多い。苦悩する各国政府の対応をあざ笑うかのように、原油価格の高止まりは当分続くのかもしれない。 ■URL・中平幸典・国際経済研究所副理事長に聞く http://www.watch.impress.co.jp/finance/report/articles/000913-1.htm
(野崎英二)
2000/09/21
16:13
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