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コラム 瓦版一気読み(9月19日) |
情報は時とともに劣化する・・・
【1面トップ】 ◇しかし、その写真1枚でも各紙の姿勢は如実に出る。ほぼ全紙が表彰台に立って左手を客席に振る本人の笑顔を掲載したのに対し、読売だけは金メダルを獲り力強く拳を突き上げるモカヌ選手(ルーマニア)の隣で疲れきった表情を浮かべる中村選手のカット。小見出しも「悔しい・・・でも精一杯」。 ◇読売のこのとらえ方には賛否両論があろう。ゴール直前で抜かれたとはいえ、銀メダルである。こぼれんばかりの笑顔の本人でなぜいかなかったのか、と。しかし、読売の切り口には伏線があった。先立って女子400メートル個人メドレーで銀メダルに輝いた田島寧子選手の「(金メダルが欲しかったから)メッチャ悔しい!」のコメントに代表される通り、一昔前のプレッシャーに押し潰される日本選手の面影は今の代表選手にはほとんど見受けられない。 ところが、である。今回の中村選手は「今までにないほど緊張した。レース前後と試合中のことは何も覚えていない。頭が真っ白になった」と話しているし、田島寧子選手はその後の競技では捻挫している足首が影響して予選落ちした。そのときは銀メダルもメッチャ悔しい!の面影もなく、ただ泣きじゃくっていたという。さらに活躍が期待された田中雅美選手らの突然の不振・・・。それらはもう痛々しいばかりで、古い言葉で恐縮だが“典型的な現代っ子”といったイメージは微塵もない。 こういった話は、各種の報道に触れている人であれば既知の内容であろう。だからこそ読売の写真と見出しは読者の中で一致する。「うん、そうそう」と読んでいる人が感ずればそれはそれで読売の言いたいことは伝わっているからだ。ま、誉めてばかりではなんなので、ちょっと一言。この写真のキャプションなんだけどさ「金メダルのルーマニアのモカヌの横で肩を落とす中村真衣」ってさあ、見たまんまでないの。もっとシャレたセンスはないの? ◇毎日と産経は「補正事業規模10兆円」をトップに。なんだか今さらの内容と雰囲気。日経は金融庁ネタで異業種への金融事業参入について、子会社となった金融機関を財布代わりに使うことを防止するための規制の検討に入った、とのこと。ふーん。なんかパッとしないのね。
【IT】
【トピック】 [メディア批評家 増山広朗]
2000/09/19
08:53
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3/30(金) |
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