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コラム 瓦版一気読み(9月18日)

  情報は時とともに劣化する・・・

  【1面トップ】
  ●スポーツ紙に変身!
  オリンピック期間中、一般紙の1面はスポーツ新聞然となる。前日深夜までテレビの生中継やニュース、さらにハイライト版で日本選手の活躍ぶりを繰り返し観ているはずだが、さらに活字で確認をとばかりに、各紙は前日の競技を大きく扱う。競技初日はヤワラちゃんこと田村亮子選手ら日本勢は金2、銀1という幸先のよいスタート。2日目を報じる18日付朝刊最終版(以下同)は、読売、日経を除いて各紙が「日本サッカー連勝」をトップにもってきた。関連して2日目唯一のメダルとなった女子柔道の楢崎教子選手(52キロ級)の銀獲得も賛えている。

  サッカー男子は、連勝により決勝トーナメントへの進出が決まるはずだった。ところが、同じ予選リーグで最強と見られたブラジルが南アフリカによもやの敗戦。これで日本の決勝トーナメント進出決定は、20日のブラジル戦へと持ち越しになり、行方は混沌としてきた。朝日は1面に「日本が決勝T進出するには」と、“条件解説”をもってくる親切ぶりで、5輪報道に力が入る。そういえば、17日付の同紙1面もヤワラちゃんの金獲得が、スポーツ紙顔負けの大見出しになっていた。

  シドニーとの時差は、日本の2時間遅れ。このため、朝刊最終版の締め切り時には、まず全ての競技が終了している。報道しやすいと言えばそうだが、逆に大半の読者が一次情報を得ているので、こうした時の紙面づくりは難しい。そこで各紙は、競技の展望ものや、注目度は低いもののこんな選手がいたといった発掘報道などで、競うことになる。ともあれ、日本選手にとどまらず世界の最高峰の闘いがもたらす感動を、またテレビでは伝え切れないエピソードを伝えてもらいたい。

  ◇読売は、自民など与党3党が議員立法で「マンション管理士創設」。21日に召集される臨時国会に法案を提出するという独自ダネで、分譲マンションの維持・管理をきちんと進める狙いという。「来年の参院選に向け、都市部での支持拡大を図る思惑もある」と付け加えているが、議員立法とは所詮、その程度の発想の場合が多いのである。

  ◇通産省の貿易保険は、2001年度から独立行政法人「日本貿易保険」に業務が移管されるが、日経は、その運営方針を入手してトップ扱い。

  【IT】
  ●家庭の高速通信を比較
  CSデジタルのスカイパーフェクTV(スカパー)が10月下旬に東証マザーズに上場するという。日経が1面4段扱いで報じているが、見出しはソニーやフジテレビジョンなどとともに筆頭株主(9.9%保有)である「ソフトバンクがスカパー株一部売却」。約4分の1に相当する4万5,000株を上場時に売り出すというのだが、記事からは狙いは今ひとつ掴めない。単なる創業利益の回収か? 「WHY」がはっきりしない報道なんて日経さんらしくないよ。

  ◇読売の月曜経済特集面「エコノmix」で、ISDNやADSLなど高速通信サービスの比較記事。初歩的な解説も交えるこのコーナーは、毎週なかなかのでき具合です。

  【トピック】
  ●監督さん、遠慮せずに
  もうひとつ、オリンピック。プロの参加も認められた野球は、昨日最後までテレビ観戦しました。残念な敗戦で、松坂投手の頑張りも各紙の1面には行かなかった。感じたのは打線のひ弱さ。急造チームということもあって、攻めの小技もない。プロ野球のオールスター戦のように、バッターが無動作に振りまわすだけ。

  監督さんも、なんとなくプロの選手に遠慮しているようで・・・。このままだと、余り期待できそうもないと感じた次第。

  メディア批評家 増山広朗


2000/09/18 09:17
3/30(金)
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