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コラム 瓦版一気読み(9月14日)

  情報は時とともに劣化する・・・

  【1面トップ】
  ●NHKが追っかけりゃホント?
  ウソもヨタもある新聞記事の中でとりわけ真贋の見極めが難しいのが、合従連衡の”スクープ”だ。報道された直後に発表という展開になれば言うことはないが、他紙の追随もなく、「あのニュース、どうなったのかなア」と思い出した頃に発表されるケースもある。 読売が報じている東京海上火災保険(8751)と朝日生命保険の全面提携の”スクープ”は、はたしてどうか?NHKが朝のニュースで追随していたので、多分ホントだろう。

  読売を購読していない方々へ。このニュースは、読売の久々の特ダネですよ。

  ◇国税当局が、一罰百戒の見せしめに企業や有名人の悪質な脱税をマスコミにリークすることがよくある。国税庁担当の社会部記者をリストアップしておいて、「こないだは○○サンだったから、今回は××サンに」といった具合に順番にリークしていくらしい。

  さて、今回の見せしめは4億円の所得隠しを行っていた富士重工業(7270)。リーク?にありつけたのは、東京だった。

  ◇審議会の答申案やサミットの宣言案など「紙」を取れる記者が優秀とされていた時代があった。最終的に発表された内容と違っていても誤差の範囲。「紙」を取ってきただけで、中身の如何にかかわらず特ダネ賞を貰った記者は山ほどいる。

  もうそんな時代じゃない、と言われて久しいが、新聞の世界では今なお「紙」の威光が効いている。今日の朝刊でも、日経が「社会保障構造の在り方について考える有識者会議」の報告書原案の中身が明らかになった、と報じている。

  報告書の原案ねえ、と半信半疑で読み進めていくと、日経が入手した「紙」は、これまでの審議の論点を整理した座長のメモ。しかも、報告書がまとまるのは10月末と書いてある。朝日は、同じニュースを総合面(3面)で地味に扱っているが、そんなもんだろう。

  同じ「紙」でも、産経が報じている「教育改革国民会議」の中間報告案は、昨日の会合で配られたもの。スクープではなく、教育問題にことのほか熱心な産経だけがトップに持ってきた。

  ◇以下、論評抜きで。朝日「参院非拘束式、与党案固まる」。毎日「北朝鮮にコメ支援、国連要請超す40~50万トン」。

  【IT】
  ●正論吐く橋龍
  「ITとか遺伝子組み換えという言葉が(沖縄サミットで)華やかに躍ったが、それぞれきちんと整理されたかというと、残念ながらされていない」

  橋本龍太郎元首相が、地元・岡山市での講演で森首相のIT戦略や経済運営を「チクリと批判した」(朝日)。いかにも橋本サンらしい物言いだが、正論。ハッキリ言って、森サンのことを「無知」と言っているようなものである。

  森サンよ、IT、ITとはしゃいでいるが、ITって何か知ってるの? 整理どころか、ITのことが全く分かっていない森サンには辛辣な一言ですな。

  【トピック】
  ●ホッとするのも束の間
  森首相の学生時代の売春検挙歴疑惑の続報。昨日の『瓦版』で、警視庁が検挙歴の照会要請を拒否したと書いたが、法律の専門家や野党が警察の対応に反発、21日からの臨時国会でこの問題が取り上げられる可能性が出てきた(毎日など)。

  森首相は、「訴訟への影響もあり、取材には応じかねる」(森事務所)とノーコメントを通しているが、イラ菅(菅直人民主党幹事長)の執拗な追及にはたしてどこまで持ち堪えることができるか。

  ◇シドニー五輪がいよいよ開幕する。時差は2時間。テレビ放送のハイライトは夕刻からの時間帯に集中しているので、睡眠不足に悩まされる事態は避けられそうだ。

  メディア批評家 増山広朗


2000/09/14 08:57
3/30(金)
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