|
トップページに戻る | ||||
“NTT技術王国”の崩壊に飛び火も~ユニバーサル見直しの波紋 |
NTT(9432)に課されている全国一律の電話サービス(ユニバーサルサービス)の見直し議論を契機に、NTTの研究開発部門に動揺が走りつつある。東西NTTの業績不振を受け、持株会社はユニバーサルサービスの一部放棄を主張、そのコストの補てん手段として、郵政省も全ての電気通信事業者から資金を募る「ユニバーサル基金」の創設を検討し始めた。しかし、ユニバーサルサービスの見直しが、NTTのもうひとつの責務である研究開発の縮小に飛び火するのは必至。その場合、3,000人のグループ研究者のリストラは避けて通れず、一部では“NTT技術王国の崩壊”をささやく声も挙がっている。
●軌道修正の波紋 NTT法第3条は、NTTの“責務”として「電話役務のあまねく日本全国における適切、公平、安定的な提供」を義務付けている。同時に「電気通信技術に関する研究の推進、その成果の普及」も規定しており、ユニバーサルサービスと研究開発は、NTTに対する最大の規制でもある。
●どこへ行く3,000人 それでなくても、96年に宮津体制が誕生して以来、NTT技術系社員の動揺は高まっている。頂点を極めた宮津社長は、自らはネットワーク技術部門の出身にも拘らず、有力な技術系幹部を次々と外部へ転出させた。今や中核3社の東西NTTとNTTコミュニケーションズの社長は事務系幹部で占められている。 研究開発部門は持株会社に帰属しており、再々編議論の過程でグループの完全資本分離が決まるようなことになれば、「自分達はどこへ行かされるのか」といった技術系社員の不安は一段と高まる。ユニバーサルサービスの見直しを主張する宮津社長は、知ってか知らずか、自らの基盤を揺るがす“パンドラの箱”を開けてしまった格好だ。 ■URL・NTT(持株会社) http://www.ntt.co.jp/
(三上純)
2000/09/13
13:08
|
3/30(金) |
プライバシーについて | 編集部へのご連絡 | Copyright (c) 2001 impress corporation All rights reserved. |
本サイトの内容につきましては万全を期しておりますが、提供情報がシステム等に起因する誤りを含んでないこと、すべての事柄を網羅していること、利用者にとって有用であること等を当社及び情報提供者は保証するものではありません。 当社及び情報提供者は利用者等が提供情報に関連して蒙った損害ついて一切の責任を負いません。投資等の判断をされる場合は、他の資料なども参考にしたうえで、ご自身の判断でお願いします。 |