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コラム 瓦版一気読み(9月7日)

  情報は時とともに劣化する・・・

  【1面トップ】
  ●商法、半世紀ぶりに抜本改正へ
  ネット時代に入ったのに、電子メールでの株主総会の招集通知や株主の議決権行使もできない。法制審議会は6日、IT革命の進展などに対応した商法の抜本的な改正作業に着手した。

  日経によれば、半世紀ぶりの抜本改正の焦点は、会社の「機関」に関する規定。株主総会や取締役会を、株主の広がりや企業規模などに応じた仕組みに改めることができるかどうかがポイントとなる。

  制度改革の実現は2年後を目指しているが、インターネットを活用する株主総会の導入(会社法改正)などIT関連分野については、法案提出が次期通常国会に前倒しされる公算が大きいという。

  ◇国の環境政策の基本となる新環境計画の中間案がまとまった、と毎日が報じている。環境対策を推進するため、化石燃料や自動車の利用者に負担を求める「経済的手法」の導入について、幅広く検討することが新計画に「明記」されるという。

  ところで、汚染源の一端を担うあなたは、環境税に賛成ですか? 反対ですか?

  ◇第一生命保険とアメリカンファミリー生命保険が、保険商品の「すきま分野」である医療保険やがん保険などの「第3分野」で提携することになった。

  「7日発表する」と断定的に書いているのだから、スクープなんだろう。

  どこの新聞? 言い忘れてました。朝日の、久々の経済モノの特ダネです。

  ◇読売は、斡旋利得罪の与党法案の全容、産経は教育改革国民会議、東京は、6日開幕した国連ミレニアムサミットを1面トップに持ってきた。

  【トピック】
  ●素直になれない大新聞

  今年度の新聞協会賞が決まった。グランプリともいえる編集部門の受賞社は時事通信社。集団警ら隊の連続暴行や覚せい剤もみ消し疑惑など一連の警察不祥事追及の引き金となった神奈川県警の不祥事で立て続けにスクープを飛ばした時事が、ダントツのトップで選ばれた。

  取材記者はたった2人。社会部取材では弱小陣容の時事がこの特ダネにありつけたのは、内部告発を無視した大新聞の怠慢による。時事の殊勲を素直に称える気にならない大新聞は、「明治の読売新聞CD-ROM受賞」(読売)、「隼君報道に新聞協会賞」(毎日)などと自画自賛の記事を掲載。”弱小”通信社に負けたことを素直に認めろよ!

  ◇これも新聞の話。日経(8月10日朝刊経済面)が、朝日の「アサヒ・コム」に掲載された記事を盗用していたことが分かり、”犯人”の経済部次長を役職剥奪・減給とするなど関係者の処分を行った(朝日、日経)。

  ネットの便利さに魔が差したのだろう。ちなみにこの経済部次長の名前は…、日経の38面に出てます。

  ◇昨日の朝日に続き、今日は読売と産経が長期金利上昇のニュースを経済面で取り上げている。長期金利は、ゼロ金利解除の直後からジワジワと上昇、2%目前まで来た。景気回復への期待感もあるが、それ以上に効いているのが、補正予算編成に伴う<国債大増発→国債需給悪化>への懸念。

  景気の自律回復を目前にしての金利上昇は、企業経営や個人消費に悪影響をもたらす恐れがある。取り敢えずは、11日発表の4~6月期のGDP(国内総生産)を注目しましょう。

  ◇長期金利と同様、動向が気になるのが原油価格。湾岸戦争以来の30ドル台(バレル当たり)は、消費国の経済にマイナスの影響をもたらす。とりわけ、省エネの習慣がない米国への影響は深刻で、繁栄を続ける米国経済を直撃するような事態にでもなったらエライことだ。

  ポイントは10日からのOPEC(石油輸出国機構)総会。盟主・サウジは、<増産→価格下落>合意を目指すが、はたしてどのような結末となるか。

  メディア批評家 増山広朗


2000/09/07 09:06
3/30(金)
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