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コラム 瓦版一気読み(9月6日)

  情報は時とともに劣化する・・・

  【1面トップ】
  ●プーチン去ってIT百花繚乱
  主役交代。昨日までトップを飾ったロシアのプーチン大統領は成田を発ち、代わって今日のトップには、日本経済の牽引役、IT関連の記事が躍り出た。

  毎日によれば、明日付でさくら・住友銀行系のネット専業銀行「ジャパンネット銀行」に銀行業の予備免許が下りることになった。異業種・ネット銀行の認可第1号が「ジャパンネット銀行」になることは、夏前から折に触れて各紙が報道。業務やサービスの内容もさんざ報道されてきたので、目新しい事実は「予備免許あす付与」という点だけだ。

  が、それにしても、この手の記事は日経の“専売特許”だが、弱小・毎日もなかなかやりますな。

  ◇産経は、半導体大手5社の設備投資総額が今年度、初めて1兆円台に達することが「ほぼ確実となった」と報道。記者が電卓をたたきながらコツコツと書き上げた地味な独自物で、座布団1枚!

  さてこの記事、再び1万6,500円を割り込んだ日経平均株価の反転材料となり得るか?

  ◇電気通信審議会(郵政相の諮問機関)・特別部会は5日、NTT(9432)の再々編などIT時代の競争政策について本格的な審議を開始。日経は、この関連記事をトップに持ってきて“スクープ風”に仕立て上げた。郵政省がNTT東西地域会社に義務づけている全国一律の通信サービス料金体系を、電話だけでなくインターネットでも維持することを検討、特別部会で細部を詰めることになったという。

  ポイントは、NTTの負担軽減策。日経は、NTT株の売却益などで補助する案が浮上しているそうだが、公的資金による補填(てん)には反発も強い。さてさて、どのような展開と相成りますか。

  ◇朝日と東京は、国連ミレニアム・サミットと南北朝鮮会談に出席のためニューヨークに向かっていた北朝鮮の金永南・最高人民会議常任委員長ら一行が、フランクフルト空港で米側の航空安全当局者に「不当な妨害行為」を受け、ニューヨーク行きを中止したという記事をトップに掲げた。

  「服や靴を脱がされ、犯罪人のように厳しい身体検査などを受けた」と怒る北朝鮮。2紙は、単なるトラブルでは済まない、この一件で米朝関係が急速に悪化するだろうと見てトップに持ってきたようだ。

  ◇読売のトップ記事は、参院の選挙制度改革。参院比例代表選にあらかじめ名簿順位を定めない「非拘束名簿式」の導入を参院自民党が了承。公明、保守の両党も賛成に回る見通しで、来夏の参院選から導入されるという。

 

  【トピック】
  ●“モテる女”の出した結論は…
  熊谷組(1861)支援の要請を受けていた鹿島(1812)が5日、「出資する考えはない」が「人材派遣や業務提携などについては、当社の利益を最優先に考える前提で、個々の案件ごとに冷静に対応していく」との支援方針を発表した。

  資本参加の話が持ち上がってから鹿島の株価は下落続き。一方で、メーンバンクの住友銀行の要請をむげに断るわけにもいかない。悩みに悩んだ末の結論が、この「支援方針」だった。資本提携を含む全面的な支援を期待していた住友銀行と熊谷組にとっては、ショックな結論だが、鹿島にしてみれば精一杯の誠意を示したということなのだろう。

  20年前に「友達以上恋人未満」という歌がヒットしたが、モテる女とモテない男の関係にたとえると分かり易く…ならないか。

  メディア批評家 増山広朗


2000/09/06 09:24
3/30(金)
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