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住友電工、WDM関連製品の売上高は2002年度に3倍増の2,000億円へ

  住友電工(5802)は5日、爆発的な光通信需要に応えるためWDM(波長多重伝送)関連製品に対して、今年度新たに総額350億円の投資を実施すると発表した。

  同社は昨年度、光関連部品に1,000億円の投資を行なったが、需要の一段の増加とシェア拡大に伴って生産能力の増強と新製品の投入が急務となっており、今回の投資を決めた。

  350億円の内訳は、光通信関連部品に230億円、WDM用高機能ファイバーに100億円、その他光関連素材などに20億円となっており、2002年度には各製品群の生産能力を2~5倍に引き上げる予定。

  同社の光通信関連部品は、世界トップシェアの光データリンク(デジタル光電変換モジュール)、通信用半導体レーザー、パッシブ光部品(光信号をダイレクトに分岐・合成・分波・接続する部品郡)の3製品郡を柱としている。次世代のDWDM(高密度波長多重伝送)向けファイバーにも注力している。

  WDM関連製品の今年度の売上高は650億円(全体の売上高予想のおよそ5%)を見込むが、今回の強化によって、2002年度には3倍増の2,000億円を予想している。

  1本の光ファイバーの中に波長の異なる多数の光信号を伝送することで、従来の光ファイバー網を利用しながら通信の大容量化・高速化を可能にするWDM技術の採用が欧米を中心に加速。2000年のWDM関連分野の世界需要は8,000億円以上が見込まれ、2002年には2兆円を上回ると予測されている。地域別では北米市場が圧倒的に大きく、世界需要全体の60~70%を占めるという。

今回の投資の重点分野
励起レーザー 次世代の光信号増幅技術であるラマン増幅器の実用化に必須の励起レーザ安定化技術に関して、最大需要地の米国で特許が成立しており、励起レーザの分野で重点敵な投資を行なう。
テレコム用光リンク 生産量でトップシェア。WDM網が基幹系とともに中・短距離系でも伸長していくと見られ、量的にも、高速化や大容量化など質的にも拡大していくと予想。成功した10Gbps対応製品は市場創出に大きく期待できるという。
高機能ファイバー 主として海底ケーブルに使用される、1Tbps(1兆バイト/秒、1秒あたり1兆ビットの信号を伝送する速度でテレビ情報2万チャンネルに相当)の高密度波長多重伝送を1万キロメートルの長距離にわたって可能にしたDWDM伝送用光ファイバー「PureCouple」の拡販と能力増強。
販売体制 光ケーブル、光コネクタ部品、光融着機の製造・販売を行なう100%出資の米国子会社Sumitomo Electric Lightwaveの光部品グループを分社して、新会社ExceLight Comunicationsを8月に設立。光通信市場をリードする北米での顧客対応や販売を強化する。
 

■URL
・住友電工「光ケーブルネットワーク配線システム」
http://www.sei.co.jp/SUMIOFCAS/
・住友電工「ニュースレター SEI World 2000年2月号(特集WDM)」
http://www.sei.co.jp/seiworld/0002/2a.html
・話題のWDM(波長分割多重)関連企業はこれだ
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2000/08/18/doc192.htm

(別井貴志)
2000/09/05 19:19
3/30(金)
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