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NTT、グループの意見集約できず?~混迷の再々編論議

  NTT(9432)の再々編をはじめIT時代の競争政策を議論する電気通信審議会(郵政相の諮問機関)・特別部会の検討課題について、郵政省が募った一般からの意見に、当のNTTグループ4社が統一意見書を提出できない見通しが強まっている。東西NTTの合併を目論む持株会社に対し、NTT東日本が強く反発、またNTT東日本の事業領域拡大論にはNTTコミュニケーションズ(NTTコム)が難色を示し、まとまりがつかない状態。4社の利害の溝は深く、提出期限の9月19日にはグループ各社が個別に意見書を出す異例の事態もあり得、郵政省は頭を抱えている。

  ●宙に浮く持株会社
  「宮津さんは、モグモグして何も言えなかったらしい」。電通審・特別部会の初会合を目前に控え、先に開かれた郵政省幹部とNTT首脳の非公式会合。持株会社、NTTの宮津純一郎社長は、持論のNTT法改正も、東西NTTの合併にも触れず、意見を一切述べなかった。その態度が省内外で波紋を呼んでいる。

  特別部会の検討課題は7点あり、とりわけ、NTTの位置づけと公正競争の確保が最大の焦点。郵政省は議論開始に先立って、法人や個人に広く意見を求めている。NTT東日本の幹部によると、持株会社と東西NTTの3社長会談では、NTT東日本の井上秀一社長が東西合併に強く反発。逆に地域通信から長距離・国際通信、インターネット接続事業などへ進出できる事業領域の拡大を主張しているという。これには自社の事業を脅かされるNTTコムが反対しているが、東西NTTの事業領域拡大は自民党・郵政族の方針でもある。その場合、グループの完全資本分離は避けて通ず、持株会社は存在価値を失う。

  ●煮え切らない宮津社長
  「持株会社は他の3社から“グループ内郵政省”と陰口をたたかれる嫌われ者。その300人の社員を一体どこが引き取るのか」と、NTT東日本の幹部は冷ややかに語る。現実の郵政省は、持株会社の意向を受け入れ、NTT法改正と東西NTTの合併は覚悟して再々編を進める胆(はら)でいた。ところが、肝腎の宮津社長が煮え切らない。非公式会合では、天野定功電気通信局長が「どういうことなんだ」と詰め寄る一幕もあったという。

  5日に初会合を開く電通審・特別部会は、五里霧中のままのスタートとなった。

■URL
・NTT
http://www.ntt.co.jp/
・郵政省
http://www.mpt.go.jp/

(三上純)
2000/09/05 12:15
3/30(金)
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