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コラム 瓦版一気読み(9月5日) |
情報は時とともに劣化する・・・
【1面トップ】 ◇それにしても容疑の内容はあまりにお粗末であきれるほかは無い。民主党の山本譲司衆院議員(37)らがある女性を秘書として雇ったように見せかけ、2年9カ月にわたりその給与のほとんどを事務所経費などに使っていたというもの。現時点では山本容疑者は「容疑を否認している」(各紙)が、「関係者によれば私的な海外旅行の費用にも流用していた、という」(読売)からやっぱりあきれる。 ◇詐取容疑額は2,360万円。すごいでしょ?これが大物でも小物でもない長老クラスであれば、まだ「ああ、まただね」とかなんとか言ってれば済んだのであろうが、逮捕された本人はバリバリの37歳、2期目でさあこれから、という人なのだから。日本国民の政治離れがは今や珍しいことでもなんでもなく「これが普通の状態」になりつつあるけれど、今回のような事件がある限り、国民の大多数が政治に関心を示すことはあるまい。サイテーの事件である。 ◇けれど、よく考えてみれば3年近くにわたって騙し続けてきた・・・っていうところにもなんだか割り切れない部分があるんだよなあ。容疑者本人は「サイテー」なのだが、騙され続けた衆院事務局にも問題は無いのか。どっからどう考えても不自然であり、事務局が日常的にはたいした仕事をしていないことが裏付けられたようなもんなのよね。東京地検がどこまで頑張れるか。ま、相手が小物だし、与党でもないし結構なところまではいけるか。でも、というかだからこそたいした事件にはならないのか。 ◇悪知恵を働かす国会議員がとっつかまった記事がど派手に1面を飾る一方で、「東京・伊豆諸島の三宅島で4日午後、防災関係者らを除いた島民全員の全島避難が完了した」(朝日、産経、読売)の記事。さらに「4日午後10時過ぎ、北海道渡島半島の駒ケ岳が噴火した」(各紙)のニュースも。ああ、日本はどうなってしまうのか。
【IT】 ◇そういえば「日本相互証券が運営する日本初の私設取引システム(PTS)による株式市場での売買が、4日午後から始まった」(朝日ほか)のニュースは思いのほか各紙とも小さな扱い。午後3時10分から午後7時までに注文は258件で、売買成立は3銘柄だけといった寂しいスタートとなった。東証も夜間取引に参入する計画があり、証券市場ももはやなんでもあり、の世界に突入しそう。これまで上場企業の重要発表は午後3時以降、場が引けてからになっていたルールは今後どうなるのか。市場の自由化は報道する側にも柔軟で臨機応変な対応を迫っている。
【トピック】 ◇「公用パスポートの書き換え準備でも外務省から急ぐよう催促されている」(同)というからもう笑止千万である。毎日の記事は茶化す風でもなく淡々と綴っているけど、記者も取材中、呆れる事ばかりではなかったのか。でももしかしたら「お国の方々も大変なんだ」と思い(込み)、一生懸命記事にしたのかな。うんにゃあ、そうだったらどっちもどっちか。いや、もしかしたら取材は大変だったのかもしれない。「こんなこと記事にしてくれるな」とか言われて。いずれにしても日本は大変な国なんだ、を実感しちゃいました。 メディア批評家 増山広朗
2000/09/05
08:58
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3/30(金) |
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