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「日本の政治を読む」~今度は本物?野中幹事長の辞意

  【今週の主な政治日程】

  ▼3日(日) プーチン・ロシア大統領訪日(4、5日に日ロ首脳会議)

  ▼5日(火) 森喜朗首相が国連ミレニアムサミット出席のため訪米

  ▼9日(土) 民主党大会(東京)

  【今週の焦点】

  ●期待薄の平和条約交渉進展

  プーチン・ロシア大統領が3日、日本を初めて公式訪問、3回にわたって森首相と首脳会談を行う。懸案の日ロ平和条約交渉はエリツィン大統領、橋本龍太郎首相の退陣などで大きく停滞しており、特に”期限”が迫った「2000年までの条約締結に全力を尽くす」としたクラスノヤルスク合意の今後の取り扱いが最大の焦点。

  日本の政治家の中には、ロシア側が主張する「中間条約」に理解を示す向きもあるが、これにうっかり乗れば北方領土は半永久的に返ってこない。プーチン大統領は原潜クルスクの事故以来、求心力を急速に低下させており、KGB出身の同大統領が領土問題に柔軟な態度をとるのは望み薄。森首相が原則を守りつつ、条約交渉継続にいかに筋道をつけられるか手腕を問われる。

  【先週のポイント】

  ●野中幹事長の辞意、今度は本物か

  自民党の野中広務幹事長が1日、テレビ朝日番組の録画撮りで年末の内閣改造・党役員人事の際、辞任したい意向を表明した。同幹事長の辞意表明はしょっちゅうだが、今回は本物の可能性が高い。その最大の理由は本人が言っているように「疲れたから休みたい」だが、公明党が同氏からの離反をちらつかせるなどカリスマ性が薄れたことが第1。

  第2に来夏の参院選は与党敗北の確立が高く、ぼろぼろになって辞めるより、今辞めた方が権力を維持できる。第3に森首相自身が現在の「モリ・ノナカ政権」から本当の意味での自前内閣をめざす可能性があることなどが挙げられる。しかし、政権が空中分解する危険性も秘めており、野中氏更迭は大きな賭けとなろう。後任には古賀誠国対委員長が有力。

  ●神崎氏の突出発言は焦りが原因?

  公明党の神崎武法代表が29日、自民党議員の会合で「森内閣は基本的に支えるが、党内事情で交代させるならその結果は尊重せざるを得ない。森さんがいつまでもつかは別として、最有力視されるのは加藤(紘一元幹事長)さん」などと発言し、自民党幹部をカンカンに怒らせている。

  同氏にしてみれば「ポスト森」の選択肢を広げる狙いがあったのだろうが、一部には池田大作創価学会名誉会長から先の衆院選の敗北の責任を詰問され、焦っているとの見方もある。

  ●気になる加藤氏の浮かれぶり

  このところ、「ポスト森」ナンバー1の位置がすっかり定着した感のある加藤紘一元幹事長が31日、日本記者クラブで講演、時の人の登場に会場がぎっしり埋まった。加藤氏は、「森首相で参院選を戦うのは当然」「野中幹事長との関係修復は可能」などと殊勝げだったが、亀井静香政調会長が提唱している「事業規模10兆円超の補正予算」を「非現実的」と評した。これには当の亀井氏が「加藤に経済は分からん」とバッサリ。元々脇が甘い加藤氏の最近の”浮かれぶり”がやや気になるところ。

  政治アナリスト 北 光一

 


2000/09/04 20:51
3/30(金)
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