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コラム 瓦版一気読み(8月30日)

  情報は時とともに劣化する・・・

  【1面トップ】
  ●子供たちが島から消えた
  ◇三宅島の噴火騒動は、小・中・高校生のほぼ全員を島外に追いやった。島を離れる定期船のデッキで泣きながら親に手を振る子供たち。読売(30日朝刊最終版、以下同じ)、産経、東京のトップに掲載された写真を見ていて、チリ津波地震の際に両親を残して隣町に”疎開”した記憶が蘇ってきた。不安と恐怖が入り交じった幼少時の苦い記憶である。

  ともあれ、一日も早く島民が噴火と火砕流の恐怖から解放される日がくることを願わずにはいられない。

  ◇日経のトップは、きょう開催されるIT戦略会議の前触れ記事。政府は、同会議の重要課題の1つである「電子政府」の実現に向けた電子政府一括法案(仮称)を次期通常国会に提出する方針という。

  ◇60年安保の際に日米両国政府が結んだ秘密合意の全容が明らかになった、と朝日が”スクープ”。ポイントは、「核兵器を積んだ米艦船が日本に寄港したり、朝鮮半島有事で米軍が日本国内の基地から出撃したりする場合には、日本との事前協議は必要ない」と明記している点だ。

  外務省の見解は、例によって「日米安保に密約は一切存在しない」。日本の外交文書公開でこの事実が確認できる日が来るのはいったいいつのことやら。

  ◇毎日によれば、自民党が来夏の参院選に向け、比例代表で名簿順位をあらかじめ定めない「非拘束名簿式」を導入する方針を固めた。非拘束名簿方式は、もともと自民党に有利とされており、党利党略のにおいがプンプン。

  【IT】
  ●IT目白押しの概算要求
  2001年度予算の概算要求が31日で締め切られる。大蔵省によれば、一般会計の歳出総額は前年度当初予算比0.2%減の84兆8,300億円になる見通し(各紙)。6年ぶりに前年度を下回るが、政策的経費である一般歳出は実質2%増と依然高水準を維持、今後の与党の出方次第では歳出規模が更に膨らむことも予想される。

  概算要求の内訳を見ると、森政権が「日本新生プラン」の柱に据えているITや高齢化対策などに集中。特にITについては、予算要求の”錦の御旗”となっており、「猫も杓子も」の様相を呈している。中には従来型の公共事業に「IT」のレッテルを貼っただけという粗悪な要求もあり、意味も分からず「IT」を連呼している森首相の”罪”は深い。

  ◇米国のインターネット利用は、日中も夜も利用率に変動が少ないが、日本の利用者は「夜型」ーー。日米の民間共同調査結果から、日本のネット利用者が深夜以外の時間帯のネット接続を控えている実態が浮き彫りになった、と読売が報道している。通信料金が高いんだから当然だろ。

  【トピック】
  ●森後継は加藤氏?
  森首相は29日夜、政財界の懇親会に出席、「政権に恋々とする気持ちはない」と語ったという(読売、毎日など)。では、後継は誰か?

  新聞各紙は、「(後継首相の)最有力とされているのは、加藤紘一さん(元自民党幹事長)」との神崎武公明党代表の発言を取り上げている。これまで公明党と一線を画していた加藤氏が、最近になって自公連立路線を容認する姿勢に転じており、「加藤首相」が誕生する日も近い?

  ◇毎日によれば、日経新聞は日経平均株価の構成銘柄の一部を10月2日に入れ替える。4月の30銘柄入れ替えが株価急落を招いただけに、発表の日時や内容が気になる。

  メディア批評家 増山 広朗


2000/08/30 09:11
3/30(金)
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