伊藤忠商事（8001）はこのほど、NTTドコモ（9437）の「ｉモード」を使って、女性ファッション雑誌に掲載された商品のオンライン販売を始めた。消費者が欲しい商品をメーカーが届けるという、消費者主導のｅコマース方式で、既存の「楽天」などのインターネット・ショッピングモールのメーカー主導方式と一線を画しているのが特徴。23日からサイトを立ち上げ、29日現在で延べ約20万件のアクセスがあるという。

　 伊藤忠は来年早々にも、こうしたメディアとのタイアップ通販のための専門事業会社を立ち上げる予定。2002年3月期には年商10億円を見込む。通販の対象は現在、小学館発行の女性誌２誌（「CanCam」「Oggi」）だが、同社以外の女性誌や、男性誌、テレビドラマの主人公の衣服などの販売も手がけたい考え。

　 利用方法は、ｉモード内のサイト「MAGAseek（マガシーク）」に入り、雑誌の商品表示中に星印がつけられているものについて、掲載ページや単価を入力すると、該当商品の情報が表示され、色などを指定して購入。支払は当面、クレジットカードと代金引き換えだけだが、コンビニでの支払や電子決済も検討している。

　 雑誌メディアと組むことで、画像などの情報が不足する携帯の弱点を補う利点がある。また、女性の8割以上がファッション雑誌を衣類購入の参考にし、掲載商品への問い合わせは多いメーカーで1日100件にも上り、伊藤忠では「雑誌に載った、モデルが着ている同じ服が欲しい、というのはあまり欧米にはみかけない特徴。日本女性の消費性向にあう」とみている。パソコンからのアクセスも可能だ。