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コラム 瓦版一気読み(8月24日)

  情報は時とともに劣化する…

【1面トップ】
●常識外れ?の監察医たち
 ◇社会常識の欠如か、それとも精神構造に問題があるのか。朝日(24日朝刊)によれば、都監察医務院で解剖された100の遺体から無断で脳が持ち出されていたことが分かった。”実行犯”は、2人の非常勤監察医。「研究のため」ということだが、無断持ち出しが許されるはずがない。研究の対象となるべきは、むしろ彼らの「脳」だろう。

  ◇衝動的に暴力行為に出る「キレる子供」の原因究明と対策の研究に、文部・厚生両省の研究所が本腰を入れることになった(毎日、読売)。成育過程や環境について総合的に調査するということだが、「脳に欠陥がある」ことを原因に挙げる専門家もおり、はたしてどのような結果が出るか。

  ◇連立与党は23日、事業採択から5年以上経過してもまだ着工されていないケースなど4項目の基準に該当する公共事業を中止することを決めた。このニュースを1面トップに持ってきた産経は、「(中止の)対象となる事業は200件以上に上る見通し」と報じたが、日経は「100件程度」と報道。どっちしても大変な数である。が、筆者は公共事業の見直しに取り組む与党、とりわけ自民党の”本気”を今も疑っている。

  ◇会社分割制度を盛り込んだ改正商法を後押しするため、大蔵・通産の両省が繰越欠損の継承を認めるなど関連税制の具体案について合意した、と日経が報じている。

  ◇18日に三宅島の雄山で起きた噴火はやっぱり凄い噴火だった。東京によれば、噴煙は約1万5,000メートルの高さに達し、成層圏まで到達していたという。

【IT】
●インドでも愚痴こぼす”IT宰相”
 ◇今日もインド滞在中の森さんの話題から。22日に訪問したバンガロール市内のIT企業視察で、取材に殺到したインド人記者団に取り囲まれた森首相、その夜の同行記者団との懇親会で「インドの記者もひどいな」と不満を漏らす一方で、視察に同行した日本人記者が4人に過ぎなかったことについても、今回の歴訪の目玉はITなのにと腹を立てたという記事が毎日に載っていた。

   しかし、日本の首相に現地記者の取材が殺到するのは、むしろ歓迎すべきことであり、ITが何であるかを未だに理解できていない森首相の恥ずかしいパフォーマンスは代表取材で十分。どこがおかしいのですか、森さん。

  ◇株式情報を交換するホームページを試験的にチェックしてきた証券取引等監視委員会は、検索対象を増やすなど監視体制の強化に乗り出す。日経によれば、来年度予算の概算要求に必要な予算を盛り込み、来年度からの本格実施を目指す方針。

【トピック】
●日替わりメニュー、今日は?
  ◇ランチの日替わりメニューなら、「今日は何?」と楽しみなものだが、不祥事の日替わりメニューはいただけない。全紙に出ているので深い極まりない中身は省略するが、今日の”素材”は雪印乳業。メニューに載る企業が同社と三菱自動車工業の2社に絞られつつあるのが気になる。コメつきバッタのように頭を下げていりゃ済むもんではないぞ!

   連日の残暑?で4~も痩せた。いい加減、秋の風が吹いてくれないものかと愚痴のひとつもこぼしたくなるが、実体経済にはプラスになっている。富士証券のリポートによると、連日の猛暑で7~9月期の個人消費と実質GDPは、それぞれ0.9%、0.5%押し上げられるという(各紙)。

   これで景気の本格回復に弾みがつく、と期待したいところだが、「猛暑による消費拡大は一時的」(富士証券)。だったら、秋よ来い、早く来い、だ。

  メディア批評家 増山 広朗


2000/08/24 09:10
3/30(金)
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