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コラム 瓦版一気読み(8月22日) |
情報は時とともに劣化する… ●頭を柔らかく…はロシア当局?それともマスコミ? 【1面トップ】◇夏休みもそろそろ終わりを迎え、昨日の月曜日に久しぶりに出勤したサラリーマンも多いことだろう。その場合はきょう火曜日が2日目。調子が戻ったようなそうでないような、気合が入っているようでしかしまだ気だるいようでもあり…はっきりしない具合をそのままで表現したのは、ここ数日のロシア政府当局。「ロシア原潜、全員が死亡」(22日付最終版、以下同)の記事は朝日、産経、毎日、東京の各紙でトップ、読売と日経も準トップ扱いで、2日続きの大きな見出しは話題と衝撃度の大きさを伝えている。 「艦内全体が浸水していることを確認」、「生存者なし」、「救助作業、打ち切り」(いずれも朝日)。昨日まではほとんど明確なアナウンスをしなかったロシア政府も、ここにきて自信を誇示するかのように発表している…とみるのはあまりにうがち過ぎで不謹慎か。自国技術力の結集でもある原潜が前例のない事故を起こしたことには、同情の余地もあろう。しかし、知られたくない一心であやふやな情報を送り込むのは問題と疑心を大きくするばかりだ。これは政府レベルだけの話ではない。雪印も三菱自動車工業も同じだ。 あ、どーでもいいことかも知んないけど、産経、朝日、東京、日経で使われたロイター配信のビデオ映像からの写真…これ、なにがなんだかわかんないぞ、っと。「なんか絵が欲しい」という気持ちも分からないではないけど、掲載したことでもっと分からなくするのは頭が固い証拠になっちゃうよ。 ◇「ウチはウチ」で日経は「設備投資、製造業13%増」と全産業の今年度設備投資修正計画の調査結果をもってきた。「IT関連けん引役、全産業5%、3年ぶり増」…どっかで見たような見出しが並んでいる。 毎度同じセリフで恐縮するが、相も変わらずの「景気が良くなってきたぞぉ~」論調で少々、食傷気味。しかもこの記事のリードには「一進一退を続けている個人消費に先行し、企業部門が当面の景気をけん引する構図が見えてきた」との一文。だからあ、見えてきていないってばあ。 この文章を真に受けてそのまま読み込めば、この先、個人消費は設備投資に引き続いて必ず盛り上がってくる、ということなのよね。どうしてそんなことが言い切れるの?ここはやっぱり設備投資と同様、個人消費の回復に期待がかかる…くらいにしておかないといけないんじゃないの? 日経は「やる気あるサラリーマンのバイブル」と持てはやされた時期があった。これさえ読んでおけば会社に行っても会議に出ても恥はかかないとかなんとか言ってさ。でもね、こういう独断に満ち溢れているような記事を読んで「う~んそうかそうか」って思い込むのは、もはや情報操作されているようなものなのよ、サラリーマン諸君! ●すごい!けど使い方間違っちゃうとおしまい 【IT】◇ITはITでもありゃりゃの話題をひとつ。「iモードで110番自動誤通報、ソフト掲載の男を逮捕」(各紙、社会面)。仕組みはiモード利用者にメールが送られ、受け取った人が「指示通りにボタンを押すと自動的に110番につながって誤通報となる」(読売)というもの。これを「自分のホームページに掲載して」(朝日)訪れるHP閲覧者に「6日間で8500件の通報」(同)をさせたというから驚きである。 犯人は仙台市に住む専門学校生。「注目されたかった」らしいが、すでに十二分に注目されたから当初の目的は果たしたというべきか。あんまり道徳的なことは口にしたくないけれど、こんなにすごいこと思いつくんだったら、もっとほかの事に使ったら?なんかもったいない気がするなあ。 ●あと出てきていない生き物はなに? 【トピック】◇次から次…に歯止めが掛からない。雪印の大樹工場から毒素が検出されれば、野菜パックからカナヘビ、チョコレートから蛾(が)の幼虫。もはや新鮮味に薄れてしまって各紙とも扱いが小さい。そうかなあ、んなことあっていいのか!ってなトラブルが日常的に起きているんだけどなあ。日本は、お腹が空いてこれ食べたいと思って買って帰って開けてみたら普段は目にしないような生物がどぉ~んと登場する国になってしまったんだよ。もっとちゃんと書いておかないとあとで後悔すると思うんだけどなあ。 増山 広朗(メディア批評家)
2000/08/22
09:12
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3/30(金) |
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