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情報を漏らしたのは誰だ!~神経尖らす日銀 |
日銀は8月11日の政策委員会・金融政策決定会合で、1年半にわたった「ゼロ金利政策」の解除を断行したが、この会合の内容が公表前に次々と報道される異例の事態に神経を尖らせている。速水優総裁は15日の記者会見で、「決定会合の進行にかかわる情報とか、(8月の日銀)金融経済月報の内容などが事前に一部で報道されたという事実」に対し「まことに遺憾である」と表明。政府を代表する出席者も含め、調査を行い、結果を公表する考えを示した。 公定歩合操作を中心に政策金利を決める権限は、どの先進国も「中央銀行の専管事項」。金融政策の動向は、市場の価格形成に多大な影響を与えるため、その意思決定に関する情報は市場参加者にとって最大級のインサイダー情報になりうる。 厳正な情報管理が求められるのは当然で、かつて、米連邦準備制度理事会(FRB)の公開市場委員会(FOMC)の議決案件の事前票読みが一部で報道された際には、米連邦捜査局(FBI)が捜査に乗り出したほどだ。 ゼロ金利解除をめぐる「情報漏洩」は、11日の金融政策決定会合が終わりに近づいた夕刻から。共同通信、日本経済新聞、時事通信が相次ぎ「速水総裁がゼロ金利解除を提案」「政府が(ゼロ金利解除の)議決延期を請求」「政府の請求を日銀が否決」と速報した。 さらに、会合の中身は、約40日後の議事要旨公表まで極秘扱いにもかかわらず、ゼロ金利解除の議決は「賛成7、反対2」であり、政府の延期請求を否決した投票は「賛成1、反対8」だったことを、読売新聞と毎日新聞が翌日朝刊で報じ、日経は賛否の票を投じた委員名まで特定した。さらに日経は、15日公表の金融経済月報を同日朝刊ですっぱ抜き、だめを押した形になった。 問題は、こうした極秘情報がどこから漏れたかだが、ゼロ金利解除の阻止に躍起になっていた政府・与党には、政府代表の会合出席者から議事内容が随時報告され、永田町周辺に筒抜けだった模様。「厳正な情報管理を目指す」(速水総裁)とする日銀の調査結果が注目される。 ■URL・日銀 http://www.boj.or.jp/ ・日銀、ゼロ金利解除を決定~誘導目標0.25%へ http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2000/08/11/doc171.htm
(小倉豊)
2000/08/18
16:16
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