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コラム 瓦版一気読み(8月12日~16日ダイジェスト版) |
◆お盆休みも終わり、大都会に再び喧噪と灰色の空が戻ってきました。 帰省とUターンのラッシュにもまれ、新聞を読む暇のなかった人のために「瓦版一気読み」番外編をお届けします。題して「お盆休みの間、新聞にはどんなニュースが掲載されていたのか」。12~16日の朝刊(最終版)トップ記事総集編です。 ●適切な判断か?時期尚早か? 【12日】◇お盆休みの帰省ラッシュが始まった11日夕、日銀は1年半にわたったゼロ金利政策を解除することを決めた。政策委員会・金融政策決定会合の評決は7対2。政府側から出された議決延期請求権も1対8の圧倒的な大差で否決された。 在京主要6紙の1面トップは、例外なく<日銀、ゼロ金利解除決定>の大ニュースで揃い踏み。記事の中身は、比較しようがないほど酷似しているが、論評(社説)は大きく割れた。 一貫して「早期解除」を唱え続けてきた朝日と毎日は、日銀の決定を支持。読売、産経、東京は日銀の性急な決定を批判、日経も日銀に厳しい。さて、あなたはどちらに与する? ●暇ダネ作文のオンパレード 【13日】◇企業も政治家もお盆休み態勢に入り、ニュースのネタが枯れてくると、整理部はどの記事をトップに持ってくるかで頭を悩ます。 この日のトップ記事は、盗聴法関連(朝日)、医療事故被害(毎日)、源泉分離課税(読売)、ストーカー対策(産経)、英米の電子メール傍受法制化(日経)、高等教育政策(東京)と、見事に分かれた。 ◇このうち、株式売却益などにかかる有価証券譲渡益課税の源泉分離方式を当面継続するとの読売の報道は、本サイトの読者には切実な問題。源泉分離方式を、予定通り来年4月で廃止した場合、投資家の株式投資意欲を冷え込ませ、景気回復の足を引っ張りかねないとして、自民党が廃止方針を撤回する方針を固めたという。 現時点での継続報道は、「観測気球」の域を出ていないが、自民党はやる気らしい。 ●キレた高校生の「心の闇」 【15日】◇14日は新聞も休刊。休み明けの15日朝刊トップ記事はまたも見事に分かれた。 産経は、14日夕刊各紙のトップを飾った高1による一家殺傷事件(大分)の続報。この残忍極まりない凶行の背景を探っているが、取り調べが始まって間もないのに「心の闇には何が潜んでいたかの」分かるはずもない。 ◇東京は、通信傍受法の施行(15日)に引っかけて、NTTドコモ(9437)が盗聴への立会を「事業者の負担が重すぎる」として拒否していると報道。朝日も準トップで同様の記事。◇通産省がドメイン名の保護に本腰いれる、と日経。他社の商標などと同じ名称を不正使用を規制するため、法改正を検討、来年の通常国会に不正競争防止法改正案の提出を目指すという。 ◇毎日はロシア原潜航行不能の共通ネタ。朝日は、無断で子供の脳組織の一部を研究用に横流ししていた悪徳監察医の話、読売は看護婦向け賠償保険の導入を1面トップに掲載。 ●会えたのは1000万人の0.002% 【16日】◇南北に分断された離散家族の「3泊4日」の相互訪問が、15日から始まった。ここまで要した歳月は50年。但し、1000万人に及ぶ離散家族のごく一部の人々(各100人)に与えられた再会の切符を手にしたのは、「特権階級」(北朝鮮)と「高齢者」(韓国)とか。朝日と東京がトップで報じた。 ◇組織的なリコール隠蔽事件が発覚した三菱自動車。実は、今回の件だけでなく、リコール制が導入された1969年から30年にわたってクレーム案件の隠蔽を続けてきた「疑いが強い」と読売が報道。利益優先の歪み、と読売は指弾するが、「走る凶器」の安全管理がここまで杜撰に行われているとは…。他の会社は大丈夫なんでしょうな。 ◇毎日はベアゼロの人事院勧告、産経は教育ネタ、日経は海外物を1面トップに。 増山 広朗(メディア批評家)
2000/08/17
09:13
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3/30(金) |
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