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金融庁を支える大蔵出身官僚たち~そのキーマンは |
金融庁発足から1カ月余。金融監督庁と大蔵省金融企画局が統合して誕生した同庁は、金融再生委員会と二人三脚で「そごう問題」などに取り組んでいる。検察庁出身の日野正晴長官を支える事務方のキーマンを探ってみると、IT(情報技術)に翻弄される金融行政の方向性が浮かび上がってこよう。屋台骨となる幹部陣はいずれ劣らぬ有能な人材だが、金融庁幹部を大蔵省に戻さない「ノー・リターン・ルール」が適用されるため、「金融行政に本気で取り組む気になるのか疑問」(大蔵省関係者)との声も多く、士気の低下が指摘されている。
●エース投入に失敗した大蔵 しかし日野長官は、福田氏が「接待問題」で処分を受けた点に固執。日銀が同様の処分を受けた増渕実理事を今回復権させたのとは対照的に、福田氏の復権をはねつけた。この結末に対する大蔵省の不満は強く、来年3月に定年退官する日野氏の後任人事をめぐっては金融庁、大蔵省が永田町を巻き込んで激しい綱引きを演じることになりそうだ。
●再生委統合後のナンバー2は乾氏 乾氏は70年に大蔵省に入省。エリート新人の中でも、特に将来を嘱望される文書課に配属された後、本流の主計畑を歩んできた。村山内閣の首相秘書官を務めるなど、政界とのパイプもある。行政手腕も手堅い。 しかし、金融行政に精通しているとは言い難く、第百生命保険などの破綻処理では、「監督庁の面子を優先するあまり、密室行政に後戻りした」(保険業界関係者)との批判もある。
●脇を固める高木、西川氏 一方、監督部長には大蔵省の高木祥吉参事官に白羽の矢が立った。71年に入省、証券、理財の両局で活躍した後、96年に大蔵省の国会対策の要となる文書課長に抜擢され、話題を呼んだ。同課長を務めた2年間は、証券局を離れていたから、接待問題では傷がつかなかった。今回、大蔵省が金融庁に送り込んだ中では、エース的な存在である。 証券市場課長や国債課長などを歴任し、「市場」に対する造詣が深い。市場原理に則った監督行政を推進するとみられるが、省内では「無能な部下はバッサリ切り捨てる」ことでも知られる。 また、検査部長には71年入省組から、西川和人東京国税局長が指名された。同氏は証券局や国税庁の経験が比較的長いが、北京の日本大使館2等書記官やロサンゼルスの領事などを経験するなど、オールラウンドプレーヤーといえるが、「金融機関の検査に対するスタンスは未知数」(大蔵省筋)と指摘する向きも。 ■URL・金融庁 http://www.fsa.go.jp/
(兜太郎)
2000/08/11
17:39
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