ベクター（2656）が11日、ナスダック・ジャパン市場グロースに新規上場した。

　公募価格120万円と同値の買い気配で始まり、前場引けで186万円の買い気配。結局、大引けでも初値はつかず、公募価格比2倍の240万円の買い気配で終了した。差引769株の買い物を残した。

　好スタートとなった背景には、相場の地合いが好転してきたことが大きい。まず、直近で新規上場したJSAT（9442、通信衛星による電気通信事業および受託放送事業）やNECソフト（4774、情報システムの構築や支援）、マネックス証券（8626、オンライン証券）なども好調だった。新規上場のため、信用取引など需給面での懸念がない上、今後の成長が期待できる銘柄が相次いだためだ。

　また、情報通信関連に対して、今後考えられる悪材料はほぼすべて織り込んだとの見方が広がり、株価に底打ち感が出てきたことも大きい。そうした見方が広がる中、ネット関連では楽天（4755）やトレンドマイクロ（4704）も第1四半期決算が堅調だったことが好感されている。