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コラム 瓦版一気読み(8月10日) |
情報は時とともに劣化する… ●「ゼロ金利解除」が見えた? 【1面トップ】◇政府・与党の反対包囲網にひるむことなく、「ゼロ金利解除」への道をひた走る速水日銀総裁。たまりかねた宮沢蔵相が9日の記者会見で、「今はその時期ではない」と反対の意向を表明、「十分な意思疎通」(日銀法)が求められている政府と日銀の対立が一段と鮮明になった。 が、ここまできたら後戻りできまい。読売(10日朝刊最終版)は、<ゼロ金利解除の公算>の見出しを掲げ、11日の金融政策決定会合で速水総裁が「解除」を提案すれば「可決される公算が大きい」と報じた。 朝日、毎日、産経、日経もこの問題をトップで扱っているが、読売ほどは踏み込んでいない。大蔵省と経企庁が持っている「議決延期請求権」が抑止効果を発揮、土壇場で日銀が腰砕けとなる可能性も残されているからだろう。 ともあれ、「ゼロ金利解除」問題は、胸突き八丁のクライマックスを迎えようとしている。12日朝刊の1面トップ記事は<日銀、1年ぶりにゼロ金利解除>ということになりそうだ。ひょっとすると、その脇に<速水総裁、辞任へ>の見出しが並ぶかも…。 ◇劇物が混じったホルマリンを下水に垂れ流していたのは東大だけではなかった。14の国立大でも同様の垂れ流しをしていたことが文部省の調査で判明した、と東京が報道。 ●ROE押し上げるIT 【IT】◇IT革命の効果は、企業の株主資本利益率(ROE)にも表れている。日経がまとめた99年度の全国上場企業の連結ROE番付によると、富士通デバイス(7582)をはじめITやソフトなど「時流をとらえた中堅企業」が上位にランクされている。 ◇日経からもう1本。NTTグループの長距離・国際通信会社、NTTコミュニケーションズが米企業と提携し、国内のインターネット向け高速通信サービス事業に参入することになったという(シリコンバレー発)。 ◇朝日によれば、ソニーは来夏スタートのCS(通信衛星)放送に、番組を制作・編集する「委託放送事業者」として参入する方針を明らかにした。 ●日本IBMを目指す?新生銀 【トピック】◇新生銀行が随分と物分かりよくなった。八城政基社長が日経、朝日、毎日、読売との会見で、準大手ゼネコンのハザマから要請を受けている債権放棄に応じる方針を表明。読売によれば、熊谷組から債権放棄の要請があった場合にも「応じる姿勢だ」と語ったという。 そごうの債権放棄要請を拒んだ結果、世論の袋叩きに遭った新生銀。「これ以上イメージが悪化すれば、新生銀の将来に悪影響が及ぶ」と考えての「柔軟路線への転換」と、日経は解説している。株主利益を優先する欧米流の経営姿勢は崩さないそうで、株主(IBM本体)の意向に配慮する一方で、日本の企業風土にも合う経営を追求した日本IBMのような”準”日本的経営を目指そうということか。 ◇「ポスト森」をうかがう自民党YKK(山崎拓・加藤紘一・小泉純一郎)グループの勉強会に、旧河本派を引き継いだ高村(こうむら)正彦元外相が加わった(各紙)。YKK+Kの新しい呼称は「Y3K」だそうだが、若手議員で構成する「自民党の明日を創る会」と比べると、古色蒼然とした印象は拭えない。 増山 広朗(メディア批評家)
2000/08/10
09:28
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3/30(金) |
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