日銀の速水優総裁は9日の参院財政委員会で、ゼロ金利政策について「非常時の対策を少し戻し、まず微調整するということ。引き締めようということではない」などと語り、早期解除への意欲を改めて示した。

　 ゼロ金利の解除問題を巡っては、森喜朗首相が訪問先の長崎市で継続への期待を表明。宮沢蔵相も参院財政委で、景気の見方について楽観論を展開する速水総裁を牽制するなど、政府・与党による解除反対の包囲網が徐々に狭まっている。

　 しかし、速水総裁はこうした反対論にひるむことなく、連日のように早期解除への意欲を表明、日銀内でも突出して前傾姿勢を強めている。このため、「継続」で落ち着くとみられていた11日の日銀政策委員会・金融政策決定会合の帰趨は一段と不透明になっており、「解除」の決定が下される可能性も出てきた。