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技能をデジタル化して継承~通産省が新生産システム構築へ

  日本が誇る製造現場の技能をデジタル化して継承しよう―というプロジェクトが、2001年度から通産省によって推進されることになった。ITの活用により、「技能」を可能な限り「技術」に置き換え、ITと製造技術を融合した新しい生産システムを構築する狙いだ。金型を削る微妙な職人わざなど、失われるつつある技能をITで21世紀につなぐ。

  このプランは「デジタル・マイスター・プロジェクト」で、テーマに応じ来年度から3―7年程度で完成させる計画。プロジェクトでは製造現場での「品質の作り込み」など、技能者のノウハウをIT技術によって分析し、データベースやソフトウェアに転換することで伝承する。こうしたデータやソフトから個々のモノづくりでの最適な生産データ抽出するプログラムも開発する。

  生産システムは、3次元のCAD/CAM(コンピューター支援設計・製造)を機軸とし、イントラネットやインターネットにより各工程をストレートにつなぐ柔軟なシステムとする構想だ。これにより、例えば製造現場の技能者によるコストダウンのための設計変更提案が迅速にできるようにする。

  日本のモノづくりを支えてきた各種の技能は、部品や金型生産などの海外移転や中小企業のIT化の遅れにより、伝承が困難となっている。このため、高い品質や迅速な納期といった日本の製造業のお家芸にも陰りが生じており、通産省は産業界の協力を得ながら新プロジェクトを進めることにした。同省は8月23日まで、この計画に関する一般からの意見・アドバイスを広く募集している。

■URL
・デジタル・マイスター技術開発についての意見募集
http://www.miti.go.jp/feedback-j/i00804cj.html

(池原照雄)
2000/08/09 09:38
3/30(金)
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