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コラム 瓦版一気読み(8月7日) |
情報は時とともに劣化する… ●警鐘を乱打しよう 【1面トップ】◇水難の悪夢再来。6日午後、谷川岳のふもとを流れる群馬県水上町の湯桧曽川で、埼玉県東松山市の少年サッカー団とその家族らが鉄砲水に襲われた事故は、日曜日夕方のテレビトップニュースとなった。新聞主要6紙(7日朝刊最終版)も産経、日経を除く4紙がトップで大扱い。 たまたま、6日夕刻にある民放を見ていたら「10数人が行方不明」との第1報。昨年8月14日に神奈川県玄倉川で13人の犠牲者を出した悪夢がよみがえり、暗澹たる思いに襲われた。亡くなったサッカー団の団長さんのご冥福を祈りながら、結果として大惨事に至らなかったことにちょっぴり安堵。 読売、東京などは社会面見開きで関連記事を掲載し、「予測できぬ自然」(読売)と、警鐘を鳴らしている。まだまだ、夏のレジャーはこれからが本番。アウトドアレジャーを楽しむ層が増えているだけに、朝日のように淡々と惨事を伝えるだけでなく、くどい程の警告記事があってよい。 ◇産経は55回を迎えた広島原爆忌。日経は今年8月までの不動産証券化が5,000億円を突破したと報じている。「今後も市場拡大が見込まれる」との指摘だが、大手企業が本社などを証券化して賃借するというリストラが市場を急拡大させているだけに、これも失われた10年の副産物か。 ●ケータイが設備投資を引っ張る 【IT】◇たまたま水難がらみで、読売が大都市の浸水被害を「ITで防げ」との囲み記事を2面に。建設省が来年度から計画しているものだが、都市部に敷設された光ファイバーにセンサーを付け、集中豪雨による地下鉄や地下商店街への浸水被害を防止しようというアイデアだ。 ◇今年3月に携帯など移動体電話の加入者が、初めてオフィスや家庭などの固定式電話加入者を上回り、電話がパーソナルとモバイルの時代に突入していることを改めて印象付けた。日経によると、今年度の携帯電話サービス各社の設備投資は1兆7,500億円に達するという。 交換機や来年度からスタートする次世代携帯向けも始まるため、前年度に比べ10%の増加となる。電子部品などへの波及効果も大きいだけにIT投資の牽引役となる。まさに「固定電話と主役交代」の構図だ。 ●マムシも飲み込んだジャンボ 【トピック】◇53歳6カ月―。各紙のスポーツ面では男子プロゴルフツアーで尾崎将司が、ツアー最年長優勝を更新したとトップ扱いで賞賛。マムシの異名をもつ杉原輝雄の記録を1カ月更新した。海外に弱い、不調時のマナーが悪いなど、人気は今ひとつの同選手だが、今回だけは拍手を送る人も多いのでは。筋肉トレーニングで「体重の6キロ減」(朝日)で臨み、1年ぶりのツアー優勝。 年齢的にも、サラリーマンならリストラの対象となるなど難しい世代だが、なお向上心を失わない姿勢は素直に評価し、オジサンも糧にしよう。 増山 広朗(メディア批評家)
2000/08/07
09:27
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3/30(金) |
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