松本氏（左）と出井氏（右）

　 マネックス証券（8626）は4日、東証マザーズに新規上場した。

　 買い気配で始まった後、午前10時23分に6万3,300円の初値がついた。公募価格4万5,000円に対し1万8,300円高（40.7％高）と好調なスタート。初値がついた直後から、買い物が急速に膨らんだが、これは証券会社のディーラーによる短期的な値幅取りを狙った注文が相次いだためとみられる。

　 終値は6万8,300円とストップ高で、2,758株の買い物を残した。公募価格に対して2万3,300円（51.7％）上昇。出来高は2万9,352株。

　 この日同証券会社は、東証の情報発信スペース「東証ARROWS」において、株主やパートナー、アドバイザリーボードのメンバーなどを招き上場記念レセプションを開いた。

　 松本大社長は「99年4月5日の設立当初からパブリックカンパニーであるべきと考えてきたがそれが今日実現した。しかし、あくまでも上場は通過点で今後さらに力を入れていく」と、決意を新たにした。

工藤COO

　 次に工藤恭子・取締役最高業務執行責任者（COO）が挨拶し「99年10月1日の開業から1年以内で上場できた。8月2日には口座数が8万を突破し、現在の社員数40名では1人当たり2,000名の顧客を抱えていることになるが、こういったことが可能になるのもインターネットを活用しているため」と述べた。

　 さらに、「個人的にはマネックスという会社を育てていくというよりは子供を育てていく感覚を持っており、マザーズという学校にようやく入れてももらったかたち。今後、パブリックカンパニーとして大人になっていきたい」と女性ならではの感覚を語った。

　 最後に、マネックス証券の生みの親のような存在でもあるソニー（6758）の出井伸之会長が乾杯の挨拶に立った。まず、「1年で上場できたのは素晴らしい。これはソニーがあまり口出しをしないで比較的何もしなかったことが良かったのかもしれない」と述べ、会場に笑いが起こった。マネックス証券については「ベンチャー企業はこうあるべきという見本のような会社。大企業であるソニーのプラットフォームのバックアップと、素早さや少人数、低コストというベンチャーの良いところが両方とも上手く働いた例はそれほどないと思う」とし、「両社の関係はこれまでと変わらず、これからもお互い切磋琢磨していきたい」と語った。