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ソフトバンクが事業統括会社の株式公開を中止

  ソフトバンク(9984)は、100%出資子会社であるソフトバンク・イーコマースやソフトバンクファイナンスなどの事業統括会社(各事業分野を統括するいわゆる中間持株会社)の株式公開をこれまで検討してきたが、7月31日に開いた取締役会で今後とも継続して株式を100%保有することを決議した。

  このなかで、ソフトバンクファイナンスは2000年3月期決算基準で株式を公開する予定をこれまで明言してきた。

  株式公開計画を取りやめたのは、持株会社であるソフトバンクと事業統括会社の利益を一致させ、経営資源を最適化させることで、グループ全体の企業価値を高めるために必要なことだと判断。さらに、連結納税制度が導入された場合に税制面で優遇されない可能性もあったためだとしている。

  株式市場では、ソフトバンクが保有している中間持株会社の持分が公開によって減少することで、本体の含み益が高水準を継続できるかどうか懸念されていた。この発表もあって、8月1日のソフトバンクは一時3日ぶりに1万円の大台を回復する場面もあった。終値は前日比100円高(1.1%高)の9,250円。

  ウイットキャピタル証券では、今回の発表を受け「保有」のレーティングを継続するとしている。同証券は、6月22日発表のリポートにおいて子会社及び事業統括会社の株式公開がソフトバンクの企業価値に必ずしもプラスの影響を与えるわけではないと指摘していた。

  親会社は子会社株式を簿価で保有しているので、子会社が株式公開するとその子会社株式に時価が付き含み益が生じる。また、売却時にはキャピタルゲインを得ることができる。しかし、子会社の業績や企業価値は親会社の株式に既に反映されているはずであり、子会社の株式公開が即新たな企業価値を生み出す訳ではないという。

■URL
・ソフトバンク(ニュースリリース)
http://www.softbank.co.jp/corpnews/2000release/000731.htm
・ウイットキャピタル証券
http://www.witcapital.ne.jp/
・第2段階に入ったソフトバンク・ファイナンスグループ~第3回事業説明会(Internet Watch)
http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2000/0529/sbf.htm

(別井貴志)
2000/08/01 19:22
3/30(金)
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