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コラム 瓦版一気読み(8月1日)

  情報は時とともに劣化する…

  ●米つきバッタに徹する森サン

  【1面トップ】
  ◇大蔵省と通産省に過剰接待疑惑が持ち上がり、厚生省の前事務次官が収賄容疑で逮捕された頃、建設省の幹部に「お宅も危ないんじゃないの」と訊いたことがある。

  「ウチはおカネにはきれいなんですよ」。たしかに逮捕されるのは大臣経験者ばかり、官僚が逮捕された例は殆どない。

  けど、一時金(賄賂)を受け取る代わりに、天下りという形で長期にわたって利益提供を受けるシステムがあるんだったら、「おカネにきれい」とは言えないんじゃないの。詳しくは読売(1日朝刊最終版、以下同じ)を。

  ◇衆院本会議の各党代表質問が31日行われ、森喜朗首相が久世公堯・前金融再生委員長の辞任に関し、「辞任せざるを得ないような大臣を任命したことは誠に遺憾、国民に率直にお詫びしたい」と陳謝した(東京)。しかも、各党の質問に1字1句違わぬ文言で陳謝を繰り返し、ちょこっとだけだが、頭を下げた。米つきバッタのように。

  産経も首相の国会答弁をトップで扱ったが、主見出しは<「瑕疵担保」見直さず>。日債銀の譲渡契約に盛り込まれている「瑕疵担保特約」の見直しに応じない方針を表明したことを前段に持ってきて、「陳謝」の件は最後にちょっとだけ触れている。

  ◇日経は、猛暑でエアコンやビールなどがバカ売れしている記事。この猛暑が「自律回復の入り口に来ている景気を後押しする見通し」という。朝日と毎日は、…省略します。

  ●エリート官僚、ITビジネスの世界に

  【IT】
  ◇通産省の”電子部落”のトップで、沖縄サミットの「IT憲章」にも深く関わった安延申電子政策課長が7月31日付で退官(各紙)。スタンフォード日本センターに一時身を置いた後、ITビジネスの世界に飛び込む考えのようだ。

  安延氏は78入省組のトップ。「優秀な頭脳」の流出は民間にとって歓迎すべきことだが、民間でどこまでやれるかは別問題である。

  ◇お客様の欲しい商品やサービスを探します~~。ソフトバンク(9984)は、インターネット上で消費者が商品の価格と購入条件を提示し、企業に競争入札させる「逆オークション」を来春から始める(各紙)。そのソフトバンクが、100%子会社5社の株式公開を取り止めると発表、「株式公開益の2重取りや3重取りとの批判を受けたため」(読売)という。

  ◇世界最大の半導体装置メーカーである米アプライド・マテリアルズが年内にもナスダック・ジャパンに上場する。産経が同社の上席副社長にインタビュー。

  ●ゼロ金利解除、今月も見送り?

  【トピック】
  ◇朝日の経済面に<Wの衝撃>の見出し。「米国市場の下落」とそごう倒産以降の「揺れる政策」が株価と円相場の動きを不安定なものにしているという。中身はありきたりだが、TOPIX(東証株価指数)中心の紙面展開が定着したようだ。

  ◇株式市場がこれだけ低迷していれば、ゼロ金利政策の月内解除は無理か。先日の産経に続き今日は毎日が、今月も解除は困難と報道。今回見送られても、9月14日の決定会合が「ゼロ金利解除の大きな節目となる」というが、独断と偏見で言えば、解除は当分無理ですな。

  ◇ネット証券や外資系運用会社の参入で、投資信託の手数料を引き下げる動きが広がっている(日経)。

  ◇危機は忘れた頃にやってくる。湾岸危機から今日で丸10年。読売が特集している。

  増山 広朗(メディア批評家)


2000/08/01 09:04
3/30(金)
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