「ITを駆使し”軽くて速い”会社に」。松下電器産業は、電子商取引（EC）などITの積極導入による経営革新を進めるため27日付で「IT革新本部」を新設した。今年6月に就任した中村邦夫社長の発案によるもので、中村氏自らが本部長に就いた。本部のスタッフは数人。革新の実行は本部傘下の各推進プロジェクトチームが当たるという「バーチャルな組織」（同社）とした。

　 「速さ」を追求するため、トップダウンの指示があたかもインターネット上を瞬時に駆け巡るようにする。同革新本部のタスクフォースは「社長直轄による全社IT化」。具体的には（１）資材や部品など調達ECの本格導入（２）「i EPOCH」と呼ぶITによる間接部門の生産性向上などをプロジェクト方式で進める。松下は、本体だけで4万5000人を抱える巨大組織。新社長がどれだけ求心力を発揮して「軽い」組織にできるか、IT企業によるIT革新の成否が注目される。