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東証、ネット口座向け情報料を値下げへ |
東京証券取引所は、会員証券会社から「高すぎる」と不満が出ていたインターネット取引口座向け情報料について最終的な値下げ案を各社に提示した。それによると、20万口座超の場合は月額50円にディスカウントする「大口割引制」を導入。休眠口座は課金対象外とし大手の不満をかわす一方で、月額180円の課金単価を110円に引き下げ、中小証券にも配慮した。6月から続いていた東証と証券各社とのネット口座情報料の値下げ交渉はこれで決着する見通し。 ●月額180円を110円に個別銘柄の株価情報などは、東証が証券会社を通じて投資家のパソコン画面に提供。証券各社は1口座当たり月額180円を「相場報道システム利用料」として東証に支払っている。インターネット取引口座は今年6月末で100万を突破。この水準でも東証の年間収入は20億円を軽く超え、総収入436億円(1999年度)の取引所にはドル箱的な存在となっている。 一方、会員証券会社にとっては、口座数が増えれば増えるほど、利用料負担が重くのしかかる。「2000年度末に100万口座が目標」(野村証券8604)などと、目先の口座数を競い合っているが、実際には取引の全くない“休眠口座”も相当数に上る。顧客から手数料が落ちない上に、東証には利用料を支払わなければならず、“ネット・バブル”の裏で証券各社の台所事情は苦しい。 ●したたか? 土田理事長の計算情報料の値下げ交渉の過程では、野村など大手が一定口座数以上には課金しない「キャップ制」の導入を主張。これに対し、松井証券などネット専業証券が「大手の要求は身勝手だ」と猛反発、証券界を二分する論議が沸き起こり、東証の最終案は双方の立場に配慮した形となった。 値下げにより東証の減収は避けられず、「苦渋の選択」をしたかのようにみえるが、東証の真の狙いは、会員間の利害が衝突する株式会社化論議で主導権を握ることにある。5月に就任した土田正顕理事長は予想以上にしたたかなようだ。
(兜太郎)
2000/07/26
14:26
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