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コラム 瓦版一気読み(7月26日)

  情報は時とともに劣化する…

  ●”マッハの衝撃”

  【1面トップ】
  ◇東京(26日朝刊最終版、以下同じ)によれば、最高巡航速度マッハ2、フランスが世界に誇る「コンコルド」が初飛行に成功したのは1969年。未だにライバルが現れないこの”夢の超音速旅客機”は当初、大量に生産する計画が立てられていた。が、燃料である石油価格の上昇と、耳をつんざくような騒音(環境問題)のためにわずか20機で生産が打ち切られた。

  まさに”マッハの衝撃”である。パリ郊外のシャルルドゴール空港から飛び立ったエールフランス航空のコンコルドが離陸直後に墜落。乗客109人全員のほか、地上の巻き添えで4人が死亡した(各紙)。事故機は就航25年の老朽機、さしもの”怪鳥”も寄る年波で寿命に達していたということか。

  技術への過信は禁物。時速300km、開業以来無事故を誇る新幹線も同様である。

  ◇主要6紙中5紙がコンコルドの事故を1面トップに持ってきたが、さすがは日経。<ドコモ、AOL提携>のスクープ?で経済紙の面目を施した。

  巨大企業の合従連衡が相次ぐ世界の通信市場で優位に立つのが狙い、というが…。

  ●「包括提携」のいかがわしさ

  【IT】
  ◇今日はIT関連のニュースが薄い。

  ◇NTTデータと博報堂が、25日午後3時から帝国ホテルで緊急発表を行うとFAXで通告してきた。内容は、広告分野での「包括提携」という。

  が、今日の各紙朝刊はこのニュースを地味に扱い、無視した新聞もあった。自動車業界の合従連衡を巡って激しい取材合戦が繰り広げられていた頃、単なるOEM(相手先のブランドで完成品や部品を供給すること)を功名心から「包括提携」に仕立て上げる”粉飾記事”が連日のように紙面を飾ったものだ。

  「包括提携」と書いた毎日と、書かなかった日経などの記事を読み比べてみると、「包括提携」のいかがわしさがよく分かる。書かせる方は、できるだけ大きく扱って欲しいので、事実の誇張に血道を上げる。分かっているのだが…。

  ◇インプレスがIT分野専門の経済情報を掲載するホームページ「ファイナンス・ウオッチ」をスタートした(読売)。興味のある人は、このサイトにアクセス…していますよね。手前味噌でした。

  ◇平林鴻三郵政相は今日、電気通信審議会にNTT法の改正を軸とする通信市場の競争促進策を諮問する(読売)。

  ●尾を引くそごうショック

  【トピック】
  ◇そごうショックが尾を引いている。

  8月1日に予定されていたソフトバンク連合への日債銀の譲渡が1カ月程度延期されることになった(各紙)。そごうの債権放棄問題を迷走させた「瑕疵担保特約」が、日債銀の売買契約にも盛り込まれており、与党内でこの特約の見直し論議が浮上しているためだ。東京によれば、この譲渡延期も自民党の亀井政調会長の「アドバイス」(本人の弁)とか。 そごう倒産の影響は、相場にも表れている。全銘柄の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)が年初来安値を記録、平均株価も1万5000円割れの可能性が出てきた。

  ◇香淳皇后の本葬にあたる「斂葬(れんそう)の儀」の「陵所の儀」が武蔵野東陵で営まれた。昨日の各紙夕刊によれば、香淳皇后の一連の葬儀にかかる費用は今年度分だけで24億7000万円(全額国費)。宮内庁は、「前例を尊重し、質素を旨とした」と説明している。

  増山 広朗(メディア批評家)


2000/07/26 09:18
3/30(金)
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