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マネックス証券の公募価格は4万5,000円~そのバリュエーションは

  マネックス証券(8626)の公募価格が25日、1株当たり4万5,000円に決定した。ブックビルディング(需要の把握)の仮条件が1株当たり4万~4万5,000円だったので、その上限で決まった。

  募集期間は7月27日から8月1日まで。払込期日は8月3日で、上場予定日は8月4日。

  1株当たり4万5,000円というのはバリュエーション的にどのような水準だろうか。同証券は、日本の既存の公開・上場している証券会社とは収益構造が違うため、比較することはできない。

  また、オンライン専業(リテール専業)の証券会社の株式公開・上場は日本では初めてなので、これも比較対象がない。そこで、オンライントレードで先行する米国の上場企業のバリュエーションをみてみる。

  オンライントレード企業のバリュエーションをみる場合、口座数に対してどのくらいの価値があるかをみることが多い。E*TRADE GROUP(EGRP)の口座数は約300万口座あり、時価総額は邦貨換算で約5,200億円。従って、1口座あたりの時価総額は約18万円程度といえる。

  マネックス証券は、今回の公募で15万株新規発行し増資後の発行済み株式数はおよそ143万株となる。これに、公募価格4万5,000円をかけると644億円となり、これが現在の価値(時価総額に相当)といえる。

  一方、マネックス証券の現在の口座数はおよそ8万口座。これに、E*TRADE GROUPの1口座あたりの時価総額である18万円を当てはめると144億円となる。つまり、E*TRADEのバリュエーションを当てはめた価値は144億円となるが、実際に決まった公募価格4万5,000円でみたマネックス証券の価値は644億円というわけだ。この比較では、E*TRADEよりもかなり割高な水準といえるだろう。

  しかし、これは足元の口座数でみただけなので、本来はどの程度口座数が伸びるのか、その予想に基づいて判断すべきかもしれない。また、今後ソニーグループの金融戦略のなかで、証券会社としてマネックスがその中核を担っていくような可能性がまったく描けないわけでもないだろう。そういったことも考え合わせれば、単純にバリュエーションが高いとはいえない面もある。

■URL
・マネックス証券
http://www.monex.co.jp/

(別井貴志)
2000/07/25 22:40
3/30(金)
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