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コラム 瓦版一気読み(7月25日)

  ●「ゼロ金利解除」~真夏の夜の夢か?

  【1面トップ】
  ◇景気は「デフレ懸念の払拭が展望できる情勢に至りつつある」(速水優日銀総裁)。懸念されたそごう破綻の実体経済への影響も、日銀支店長会議の大勢は「限定的」。条件は整った、迷うことはない、書いちゃえ!

  デスクと記者の間でこんなやり取りがあったのだろう。産経(25日朝刊最終版、以下同じ)は、<ゼロ金利、来月解除へ>の大見出しを1面トップに掲げた。昨年2月から延々と続いている「ゼロ金利政策」が、8月11日に開かれる日銀政策委員会・政策決定会合で「解除される公算が濃厚になった」という。

  結果はそうなるかもしれないが、まだ2週間以上も先の話である。そごうショックの尾を引く株式市場などの動向も気になる。そんな中で、ゼロ金利解除を報じることはハッキリ言って無謀。それでも、というなら、ついでに「公定歩合、来年中にも引き上げの公算」という”スクープ”も物にしたら。

  ◇愛知万博(2005年開催)の会場計画が変更され、造成面積が大幅に縮小されることになった(読売、東京)。国や愛知県などは、この修正計画を基に博覧会国際事務局(BIE)総会での「正式登録」を目指す方針だが、会場の縮小は採算低下につながりかねない。国・地方自治体ともに財政事情が厳しいのだから、この際、計画を白紙撤回したらどうか。

  ●巨大通信会社誕生の”衝撃”

  【IT】
  ◇ドイツの通信大手ドイツ・テレコムが米携帯電話大手のボイスストリーム・ワイヤレスを買収すると発表した。買収総額は507億~。米欧全域にネットワークを張る巨大通信会社が誕生する(各紙)。

  そのあおりを受けるのが、ボイス社への出資を計画していたNTTドコモ。ボイス社を通じて米国での拠点づくりを計画していたドコモの対米戦略は見直しを迫られることになる、と朝日などが報じている。

  ◇ITビジネスのタネはどこにでもある。政府が2003年度完成を目標に準備を進めている「電子政府」もその1つ。様々な行政サービスや行政事務をネット上で行えるようにするこのプロジェクトの規模は数兆円に上る見通しで、IT関連企業の受注競争に拍車がかかってきた。その動向を日経がリポートしている。

  ◇インターネット通信に最適なメディアとして脚光を浴びているCATVに巨大資本が続々参入、毎日によれば、CATV業界は時ならぬ合従連衡のうねりの中で「草刈り場の様相を呈している」という。

  ●社長も汗をかかないと…

  【トピック】
  ◇ついつい好奇心でHサイトの「OK」ボタンをクリックしたら、知らぬ間に国際電話に接続つながってしまい、後になって高額の利用料金を請求された経験のある人は多いだろう。郵政省がまとめた99年度の電気通信サービスに関する苦情・相談受け付け状況によれば、こうした苦情が前年度の3倍にも上ったという(各紙)。

  ◇第一生命によれば、今年3月期決算について企業が開いた投資家向け説明会(IR)で、社長自ら説明した企業が7割弱に上った(毎日)。投資対象になるには、投資家向け説明会の開催が不可欠。社長自らIRに積極的なことをアピールしたいということか。

  ◇昨日の朝日(『天声人語』)によれば、今日は「最高気温記念日」らしい。恐ろしいほどの炎暑は、雨で一息つけそうだが、生ビールで乾きを癒す日々は暫く続く。うだるような暑さの中での通勤地獄、御身大切に。

  増山 広朗(メディア批評家)


2000/07/25 09:13
3/30(金)
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