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生産性向上に役立つ、今すぐ使えるWindowsのショートカットキー活用法

業務ではパソコンを使って、資料作成やメール操作、情報収集など多くの作業を行ないます。その際、ショートカットキーを活用すると、操作がスピーディーになり単純なパソコン操作に費やしていた時間を短縮できます。その分業務で本当に大切な「自分の考えをまとめる」「アイデアを練る」「計画を立案する」などの時間が生まれ、生産性の向上につながります。

しかし、ショートカットキーに対して「押すキーを覚えるのが面倒」「たくさん種類があって覚えきれない」「使っているのはコピペ(コピー&ペースト)だけ」など、ショートカット操作を苦手としている方も多いと思います。そこで今回は、簡単で実践的に使えるショートカットキーや、日常の操作で無理なくショートカットキーを活用するコツについて紹介します。

すぐに効果が出るショートカットキーから覚えよう

まずショートカットキーとは、通常はマウスやトラックパッドで実行するコマンド操作をキーボード上から特定のキーを押して実行する機能や、そのキーの組み合わせのことです。キーボードから直接コマンドを入力することで、マウス操作の手間を減らし、作業効率を上げることができます。よく使う標準的なコマンドをはじめ、多くのコマンドにショートカットキーが割り振られています。

例えば、最も有名と思われる「コピペ」(コピー&ペースト)では、キーボードの[Ctrl]+[C]を押して、選択範囲のテキストや数値をコピー、[Ctrl]+[V]を押すとコピーしたデータを貼り付けできます。同じテキストを繰り返し入力する手間が省けるので作業効率が上がります。

最初に覚えるであろうショートカットキー

確かにショートカットキーは操作効率の向上に役立ちますが、まとめて多くのショートカットキーを覚えることは困難です。また、いろいろなショートカットキーを手当たり次第に覚えても、期待するほどに効率がアップできるとは限りません。まずは自分がよく操作しているコマンドについて、すぐに効果が出るものを覚えましょう。

迷ったときは、ウィンドウを操作するショートカットキーがおすすめ

「どれから覚えればよいか、迷ってしまう……」というときは、アプリなどのウィンドウを操作するショートカットキーをまず覚えるのがおすすめです。皆さんがパソコンで作業する際、たいてい複数のアプリを開いていると思います。こうしたとき役立つショートカットキーです。キーボードから手を離してマウスを動かすよりも、操作するアプリやウィンドウの表示をすばやく切り替えられます。

以下のショートカットはウィンドウ操作に関連したキーです。例えば、[Windows]+[D]は「ウィンドウの“Windows”キー、デスクトップの“D”」のように覚えやすいものをピックアップしているので、参考にしてみてださい。

この状態で[Windows]+[D]を押すと、表示されてるウィンドウを最小化してデスクトップが表示される
  • [Alt]+[Tab] アプリウィンドウを切り替える
  • [Windows]+[Tab] タスクビューを表示する
  • [Windows]+[D] すべてのウィンドウを最小化して、デスクトップを表示する
  • [Windows]+[↑] ウィンドウを最大化する
  • [Windows]+[↓] 最大化したウィンドウを元に戻す

ちなみに[Windows]+[Tab]を押してタスクビューを表示すると、開いているウィンドウが一覧表示されます。[←][→]で選択して[Enter]を押すと、操作するウィンドウを切り替えられます。

タスクビューが表示された状態で[←]または[→]キーを押すと、ウィンドウを選択できる。その後、[Enter]で選択したウィンドウが表示される。

作業効率に大きく影響するショートカットキーを覚えよう

一般的なパソコン操作でコピーや貼り付けなど、とても頻繁に使う機能があります。こうした機能のショートカットキーは、積極的に覚えて使いましょう。ショートカットキーを活用するのと活用しないのでは、日々の作業効率に大きく影響します。以下の[Ctrl]を使う基本のショートカットキーでは、Ctrlキーを使う基本のショートカットキーを紹介しています。いずれも日常でよく使う、すでに覚えているかもしれませんが、改めて振り返り、作業の効率アップに役立てましょう。

  • [Ctrl]+[X] データを切り取る
  • [Ctrl]+[C] データをコピーする
  • [Ctrl]+[V] コピーや切り取ったデータを貼り付ける
  • [Ctrl]+[Z] 操作を元に戻す
  • [Ctrl]+[Y] [Ctrl]+[Z]で戻した操作をやり直す
  • [Ctrl]+[F] 検索する

ファイルの保存を効率化するショートカットキー

Microsoft OfficeのWordやExcelなどを操作しているときには、ファイルを保存するショートカットキーを覚えておくと便利です。キーボードから手を離すことなく、データの入力、編集、保存の一連の操作を効率化できます。[Ctrl]+[S]で上書き保存すると、思わぬトラブルで作業中のデータが失われてしまうのを防げます。Save(保存)のSと覚えて、こまめに保存するときに利用しましょう。なお、一度もファイルを保存していないときは、名前を付けて保存する画面が表示されます。改めて、別のファイル名で保存したいときは、[F12]を使います。

  • [Ctrl]+[S] 上書き保存
  • [F12] 名前を付けて保存

Officeアプリのショートカットキーは暗記しなくても実行できる

WordやExcel、PowerPointなど、Officeアプリではショートカットキーを暗記しなくてもコマンドを実行できます。[Alt]を押すとリボンやクイックアクセスツールバーに英数字が表示されるので、該当するキーを押していきます。たとえば、[ホーム]タブのボタンを実行する場合、まず[Alt]を押してから、次に[H]を押します。そのあと、[ホーム]タブの各ボタンに表示される英数字を見て、該当するキーを押します。よく使うキーであれば、何度も使っているうちに自然に覚えて、そのうち確認することがなくなってきます。

たとえば、Excelを開いた状態で[Alt]を押すと、ツールバーに英数字が表示される
そのまま、選択したいツール機能に表示されているキーを押すことで、マウスを使わずに操作できる

このようにショートカットキーを活用すると、作業効率をアップできます。多くのショートカットキーがありますが、自分にとって役立つショートカットキーを覚えて、業務の効率化に役立てていきましょう。

間久保 恭子

ソフトウェアメーカーでユーザーサポートや教材開発に従事した後、フリーランスのテクニカルライターとして独立。IT教育コンサルタントとして企業研修やセミナーを展開し、情報リテラシー向上に取り組む。著書に『かんたん合格ITパスポート過去問題集 令和6年度 秋期』『できるポケット 時短の王道 ショートカットキー全事典 改訂4版』(インプレス)ほか多数。