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カッターの種類はこんなに多彩。オルファの定番から便利ツールまで
2022年5月26日 08:20
カッターには様々な種類があり、生活スタイルに合わせて使いやすいものを何本か揃えることで「切る」作業がとても快適になります。といっても、どんなカッターがあるかを知らなければ、揃えることもできませんね。そこで今回は、世界で初めて折る刃式のカッターナイフを発明し、機能性と安全性に優れたカッターを開発し続けているオルファに話を聞きました。
カッターの種類や人気商品、上手な使い分けについて教えてくれたのは、営業本部 営業企画グループの畑中悠さんと福山奈央さん。「カッターは1本しか持っていない」「何も考えずに昔から同じものを使い続けている」という人にとっても、使っているカッターをちょっと見直す機会となる内容がたくさん出てきました。
「カッターは、小型、中型、大型と刃のサイズによって大きく分けることができます。より快適に、安全に使えるように、用途に合わせてカッターを使い分けるのがおすすめです」(福山さん)
「ご自身のライフスタイルに合わせてカッターを選ぶ際には、どのくらいの頻度で、どのような用途で使うかが決め手になります。たまにちょっとしたものを切るくらいなら小型カッターで十分ですが、DIYや通販利用が多く開梱作業が多い人は大型刃や専用カッターがあると圧倒的に便利です」(畑中さん)
1本で済ませるならM厚型刃の万能タイプがおすすめ
使う頻度はさほど多くないけれど、幅広く使える万能なカッターが欲しい、という方には小型刃のスリムさと大型刃の力強さを兼ね備えた「万能M厚型」がベストです。
「小型と大型の間のサイズになるので、薄い紙からダンボールまで切ることができる、まさに万能な1本です。刃の向きを入れ替えると左利きの方も使える左右両用タイプ、という意味でも万能と言えますね」(福山さん)
「M厚型刃は、小型刃ではちょっと物足りない、大型刃では大げさ過ぎる、という中間を求めるユーザーの声に応える形で、選択の幅を広げるために弊社が開発した刃の規格です。小型刃でもダンボールは切れますが、弊社ではあまり推奨していないんです。どうしても厚みがあるので小型刃では力を入れないと切ることができない。でもM厚型ならそこまで力を入れなくてもスッと切れるので、ケガ防止にも繋がります」(畑中さん)
これなら普段の生活でも切る頻度が高いダンボールや厚みと硬さがある牛乳パックなども楽に、安全に切ることができますね。
大型カッターは左利き専用の商品も用意
「左右両用タイプの小型のものや万能M厚型は、ボディ形状が左右対称なので利き手を選びませんが、大型刃は安全性やグリップ感を求めるボディ形状になるため左右両用というわけにはいかないのが現状です。そのため大型カッターナイフは左利き用のレフティL型を開発しました。これなら左利きの方でも厚みのある素材を簡単に、安全に切ることができます」(福山さん)
「企業の姿勢として『どなたでも使いやすい』というところを重視していきたいと考えています。ですから、できる限り左右両用を意識していて、品番が大きい新しい製品ほど左右両用になっています。ただ大型カッターについてはそれが難しいところもありますので、左利きの方はレフティL型をお使いください」(畑中さん)
DIYに最適!木やプラスチックも切れるノコギリ刃
続いて紹介してもらったのはDIYで活躍しそうなノコギリ刃を持つ「H型鋸」。木材やプラスチック、塩ビパイプなども切ることができる個性派のカッターナイフです。
「通常のノコギリは刃が露出した状態で売られているものが一般的だと思いますが、これはカッターの形状なので刃を収納できる。そういった面ではお子様がいるご家庭でも安心してお使いいただけます」(福山さん)
「普通のノコギリは使えば使うほど切れ味が悪くなりますが、ギザギザの刃は研ぐことができずに本体ごと買い替えるしかありません。でもH型鋸は刃を交換することで切れ味が甦ります。刃の交換ができるだけでなく、携帯性も良く、別売りの特大H型刃を装着すれば普通のカッターとしても使える、という部分も魅力ですね」(畑中さん)
ノコギリは使っている時の刃のブレも気になるところですが、このサイズであればブレも抑えることができるのでしょうか?
「正直なところ、刃渡りを出すとブレることもありますが、ネジ式ロックで刃を締めることができるので刃渡りが短いほど安定感が増すのはたしかです。ノコギリは長さが決まっていますが、H型鋸は刃を短くすることでブレを小さくできますし、切る物によって長さを調整できるのもメリットかもしれません」(畑中さん)
安全性を考えた開梱用カッター「カイコーン」
ダンボールなどの開梱時にイライラしがちなストレッチフィルムやPPバンドも素早くカットできる「カイコーン」。刃に手や指が触れにくく、荷物の中身も傷つけにくい安心設計のカッターです。
「コロナ禍で通販の需要が増えたこと、さらにお求めやすい価格も相まって今、売れ筋の商品です」(福山さん)
「企業やプロの現場には『段ボール開梱時のカッター使用禁止』としているところもたくさんありますが、カイコーンは安全性が高いので使用できる、ということで小売店や物流会社にも多く導入されました。カイコーンはすくい切りが特長です。これにより中の荷物を傷つけにくくなるため開梱時にうっかり大切な商品を切ってしまった、というリスクも回避できます」(畑中さん)
さらに本体の先端がテープスリッターになっていて、刃を使わずに梱包テープをカットできるのもポイントです。
「テープの粘着性や素材によってはテープスリッターが入りにくいこともありますので、一度スリッター部分でテープを刺してきっかけの穴を作り、そこから刃を入れてすくい切りするのがおすすめです」(畑中さん)
曲線もきれいに! 薄い布も切れるロータリーカッター
「折る刃式カッターナイフ」と同様に、オルファの創業者が世界で初めて発明したロータリーカッター。布やフィルムなど、薄く切りにくい素材もきれいにカットできるだけでなく、直線も曲線も思いのままに切ることができます。
「カッターナイフは自分に向かって引いて切るものですが、円形刃のロータリーカッターは押すように転がして切るタイプです。柔らかい布も切りやすいため、ご自身で服を作られる方やパッチワークをされる方によくお使いいただいています」(福山さん)
「コロナ禍になってすぐマスク不足の時期がありましたが、マスクを自作する方が増えたことで当時は製造が間に合わなくなるくらいの商品となりました。マスク作りは型紙に沿って布を切るのですが、ロータリーカッター45を使えば布を何枚か重ねて切ることができますし、曲線部分もきれいに切れる。昔からある商品ですが、効率よくマスクを作れることが話題になって掘り起こしてもらった感じです」(畑中さん)
ロータリーカッターは、刃の直径が45mmと汎用性の高い「ロータリーカッター45」だけでなく、刃のサイズや形状もいろいろ揃っているので、用途に合った商品を選ぶことができます。
刃の露出を最小限に抑えた安心設計の「キッター」
「キッター」は、安全性を重視したキッズ用のカッターです。刃をプラスチックで覆った専用刃を開発し、恐怖感の軽減と安全性を高めたことが評価され、第27回日本文具大賞機能部門でグランプリを受賞した商品でもあります。
「子どもの手でも握りやすく、刃がほとんど露出していないのが特長です。カッターなのでケガのリスクはついて回ることを認識してもらいながらも、ケガを最小限にすることを重視した刃の露出寸法になっています。また、替刃の交換でもケガをすることがあるので、替刃を樹脂で覆い、『折る』という行為も簡単にできるように刃折り器付きのスタンドを用意しました」(畑中さん)
「スタンドを付けたのは、危険な刃物は『しまう』という行為も大事なことだと学べるようにするためです。この商品は、『キッター』、『オッター』、『シマッター』という3ステップで使い方を案内しています。弊社では子どもが正しくカッターの使い方を身につけられる子ども向けの工作サイト『ツクルト』を今年の始めにオープンしましたので、こちらもぜひご覧いただければと思います」(福山さん)
今、専用刃を開発してまで子ども向けのカッターを作る理由は何だったのでしょうか?
「実は今まで、子ども向けのカッターを作りたかったのですが実現まで至らず、『子ども向けのカッター』は1つもなかったんです。ある程度の年齢の方は折る刃式のカッターに触れたことがあるので『刃を折る』ことには慣れていますが、30代以下の世代は学校にカッターを持ち込んではいけなかったり、使用禁止だったりという社会的背景があり、カッター離れが進んでいました。今後、企業として成長するためには若い世代の方たちにもしっかりカッターに触れていただく機会を作らなければいけない、ということで子ども向けというところにも本気で向き合って商品をつくることになったわけです」(畑中さん)
冷蔵庫や玄関に!チョイ使いに最適なコンパクトナイフ
最後にご紹介いただいたのは、コンパクトなマグネット付きナイフ「マグネタッチ」です。
「キッチンでお菓子の袋など、何かを開封する時の『ちょっと使い』に便利なアイテムです。マグネット付きなので、冷蔵庫や玄関のドアにくっつけることができ、玄関にあれば届いた荷物を開ける時にも便利。創業当初に発売し始めたマグネットが付いていないタイプの『タッチナイフベンリー』という商品があるのですが、これは発売当初、爆発的に売れたと聞いています。ですからロングセラー商品の仲間ということになりますね」(福山さん)
「押し込むと刃を固定できますが、基本的にはスプリングで元に戻るので刃が出しっぱなしになる危険がありません。マグネットで手の届くところに貼り付けることができ、置きっぱなし、出しっぱなしの心配がないのも良いところです」(畑中さん)
最後にカッターを快適に、安全に使うために意識して欲しいことをお聞きしました。
「カッターは『切れればいい』と思っている方もいると思いますが、実は力を入れているために『切れてしまっている』という状態かもしれません。カッターの本質は刃が折れる、交換できる、という部分ですから、『力を入れないと切れない時は切れ味が悪い』と思っていただき、どんどん刃を折ってフレッシュな状態で使っていただきたいと思います」(畑中さん)
「切れ味が悪いとどうしても力を入れてしまうので、ケガをするリスクが高くなってしまいます。軽い力でスッと切れるように、常に切れ味がいい状態で使ってくださいね」(福山さん)