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2020年開業の新駅や大規模施設を振り返る。進む首都圏再開発

2020年はJR山手線や東京メトロ日比谷線にて新駅が開業し、首都圏各所で大規模施設が竣工・開業した。ここでは2020年に、都心部や湾岸エリアでどのような大規模複合施設や商業施設が開業したのかを振り返る。

港区に2つの新駅。「高輪ゲートウェイ」と「虎ノ門ヒルズ」

3月にJR山手線「高輪ゲートウェイ」駅、6月に東京メトロ日比谷線「虎ノ門ヒルズ」駅が開業。ともに所在地は港区だ。

高輪ゲートウェイ駅は、JR山手線の品川~田町間にて開業した新駅。無人決済店舗「TOUCH TO GO」や、日本初導入となるビジネス利用にフォーカスした店舗空間「SMART LOUNGE」を備えるスターバックス コーヒーなど、最新の設備や環境を備えた店舗を展開する。

駅周辺では、JR品川駅から田町駅までを一体開発する「品川開発プロジェクト」が、2024年頃のまちびらきに向け、進められている。

JR東日本、開業直前の高輪ゲートウェイ駅を公開

高輪GW駅の無人決済店舗「TOUCH TO GO」に入店してきた

スタバ、高輪GW駅にビジネス利用とキャッシュレス特化の新店舗

高輪ゲートウェイ駅(3月撮影)

虎ノ門ヒルズ駅は、東京メトロ日比谷線の霞ヶ関~神谷町間にて開業した駅。周辺では、虎ノ門ヒルズ駅直結の「虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー」(地上36階)が1月に竣工したほか、虎ノ門駅直結の「東京虎ノ門グローバルスクエア」(地上24階)が6月に竣工した。

日比谷線新駅「虎ノ門ヒルズ駅」、'20年6月6日に開業

「虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー」竣工。4月開業

虎ノ門駅直結「東京虎ノ門グローバルスクエア」竣工

東京虎ノ門グローバルスクエア(野村不動産 ニュースリリースより)

虎ノ門ヒルズ ビジネスタワーでは、「虎ノ門横丁」や、エリア初となる物販フロアやスーパーマーケット、業界初となるアパレルとコンビニのコラボ「アーバン・ファミマ!!」といった商業施設が開業した。

虎ノ門ヒルズ ビジネスタワーに「虎ノ門横丁」

コンビニとアパレルを融合「アーバン・ファミマ!!」

虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー(2月撮影)

臨海エリアに「有明ガーデン」や「東京ポートシティ竹芝」など

臨海エリアで開業した大規模施設として、「有明ガーデン」、「東京ポートシティ竹芝」、「ウォーターズ竹芝」、「豊洲ベイサイドクロス」がある。

有明ガーデンは、商業施設200店舗、約8,000人収容の劇場型ホール、劇団四季専用劇場「有明四季劇場」、露天風呂付大規模温浴施設を備えた全749室のMICE対応ホテル、1,500戸超のトリプルタワーマンションなどで構成される複合施設。5月より順次開業した。

有明ガーデンの商業施設「ショッピングシティ」6月17日開業

有明ガーデン内の大型商業施設「ショッピングシティ」1階では、イオンリテールが「イオンスタイル有明ガーデン」を展開。貸出用の専用スマホで、客自身が商品のバーコードをスキャンし、レジに並ばずに買物ができる「レジゴー」を都内で初めて導入している。

イオン、有明ガーデンで都内初「レジゴー」導入

有明ガーデン 街区全体イメージ

東京ポートシティ竹芝は、オフィスタワー(地上40階)とレジデンスタワーで構成され、首都高の上を高さ16m、長さ約500mにわたる歩行者デッキでJR浜松町駅と直結する。オフィスタワーにはソフトバンク本社が移転するほか、商業エリア「竹芝グルメリウム」が開業。東急不動産と鹿島建設がソフトバンクと協力しながら竹芝エリアを中心としたスマートシティ構想を推進する。

首都高を跨いで浜松町駅直結「東京ポートシティ竹芝」開業

東京ポートシティ竹芝(9月撮影)

東京ポートシティ竹芝と隣接するエリアにて、ウォーターズ竹芝が4月より順次開業。タワー棟(地上26階)とシアター棟で構成され、商業施設「アトレ竹芝」や、「JR東日本四季劇場[春][秋]」、ホテル「メズム東京、オートグラフ コレクション」といった施設を展開している。

竹芝再開発「WATERS Takeshiba」に、新業態や日本初出店など13店舗

ウォーターズ竹芝前の竹芝地区船着場からは、水上バスを定期運行。浅草、豊洲、両国、お台場、葛西などへ、水上バスでアクセスできる。

「WATER Takeshiba」に水上バス。竹芝と浅草、豊洲、葛西など結ぶ

ウォーターズ竹芝 イメージ

豊洲ベイサイドクロスは、3月に竣工した「豊洲ベイサイドクロスタワー」(地上36階)を街区の核として、オフィス、商業、ホテルで構成される複合施設。豊洲ベイサイドクロスタワーの地下1階から地上4階には、「三井ショッピングパーク アーバンドック ららぽーと豊洲」がスケールアップオープンした。

「豊洲ベイサイドクロス」が開業。エリア最大の再開発

既存のららぽーと豊洲(手前)と豊洲ベイサイドクロス(奥) イメージ

丸の内・大手町の複合ビルに多彩な商業エリア。山手線高架下も一新

大手町エリアにはエリア最大規模という複合施設「Otemachi One」が2月に竣工、丸の内エリアには「みずほ丸の内タワー」(地上29階)が11月に竣工した。また、有楽町駅~新橋駅間の高架下には、商業施設「日比谷グルメゾン」、「日比谷OKUROJI」がそれぞれ7月、9月に開業した。

Otemachi Oneは、「三井物産ビル」(地上31階)と「Otemachi One タワー」(地上40階)で構成される、オフィス、ホール、カンファレンス、商業施設、ホテル、緑地広場を備えた複合施設。6月より順次開業した。地下2階では東京メトロ千代田線 大手町駅のコンコースに直結している。

商業施設は、地下2階から地下1階に位置するOtemachi One Avenueを中心に飲食店や、ランニングステーションやクリニックモールといったサービス店舗など30店舗が出店している。

大手町エリア最大級複合ビル竣工

Otemachi One(三井物産 ニュースリリースより)
Otemachi One タワー(11月撮影)

みずほ丸の内タワーは、「みずほ丸の内タワー」「銀行会館」「丸の内テラス」で構成され、みずほファイナンシャルグループの本社機能を集約する。東京メトロ・都営地下鉄 大手町駅直結。

丸の内テラス(地上10階)では、丸の内初となるルーフトップレストラン、複合エンターテインメントプレイス、および路面飲食店舗やワーカーサポート店舗などを展開している。

「みずほ丸の内タワー」竣工。東京駅から大手町まで地下直結

「丸の内テラス」お披露目。遊べるバーやルーフトップレストラン

丸の内テラス(10月撮影)

日比谷グルメゾンと日比谷OKUROJIは、有楽町駅~新橋駅間の内山下町橋高架下の、連続した高架柱が特徴の300mに及ぶ通路を商業空間として開発した施設。それぞれ、東京ステーション開発、ジェイアール東日本都市開発が運営企業として開発を進めた。飲食店や、食物販・雑貨・ファッション店舗が出店している。

JR東と東海、有楽町・新橋間の高架下に新しい商業空間開発

「日比谷OKUROJI」が9月10日開業決定。通な大人の通り道

日比谷OKUROJI イメージ

渋谷 宮下公園が店舗+ホテル+公園の大規模施設に。渋谷・原宿にイケア

渋谷・原宿エリアでは、宮下公園の再整備による「MIYASHITA PARK」が7月に開業したほか、原宿駅前の「WITH HARAJUKU」が6月に開業。イケアがWITH HARAJUKUで初の都心型店舗を出店し、さらに11月には「IKEA渋谷」をオープンした。

MIYASHITA PARKは、街区全体を4階建ての公園として見立てて整備。90店舗が出店する商業施設やホテル(地上18階)で構成される。渋谷駅側の1階には日本の横丁文化を発信する「渋谷横丁」を展開。屋上には宮下公園が整備されている。

「MIYASHITA PARK」開業。公園・商業施設・ホテルが融合

MIYASHITA PARK(11月撮影)
渋谷横丁(9月撮影)

WITH HARAJUKUは、物販店舗、飲食店舗、展示場、共同住宅、駐車場からなる複合施設。地上10階建で、商業施設は低層階を中心に展開。IKEA 原宿のほか、ユニクロ、資生堂、オッシュマンズなどが出店する。

原宿駅前「WITH HARAJUKU」開業日は6月5日。イケアは8日

WITH HARAJUKU(11月撮影)

隣接する原宿駅では、3月より新しい駅舎の供用が開始され、旧原宿駅舎は8月から解体。外観を可能な限り再現した建て替えが行なわれる。

旧原宿駅舎、外観を再現して建て替え。8月下旬から解体

旧原宿駅舎('19年12月撮影)
新原宿駅舎('20年11月撮影)

IKEA渋谷は、世界のイケアで初めてとなる7階建ての店舗。19種類の売場と、スウェーデンフードマーケットを併設する。また、ベジドッグ専門 スウェーデンビストロでは、世界中のイケア店舗の中でIKEA渋谷のみで販売されるメニューをラインアップする。

イケア渋谷、11月30日オープン。世界初のベジドッグ専門店も

IKEA渋谷(イケア・ジャパン提供)
渋谷センター街入口から見るIKEA渋谷(11月撮影)

「Hareza池袋」完成。浅草・立川に新スポット、下北沢に温泉

池袋の「Hareza Tower(ハレザタワー)」が、5月に竣工、7月に開業した。TOHOシネマズ池袋や各種店舗が入居する33階建て超高層ビルで、Hareza Tower開業により、豊島区庁舎跡地及び豊島公会堂跡地にて開発が進められていた「Hareza池袋」の全体開業となった。

Hareza池袋は、Hareza Tower、東京建物Brillia HALL(ホール棟)、としま区民センター、中池袋公園で構成され、Hareza Tower以外の3施設は2019年11月に開業した。

Hareza池袋、シネコン擁する33階建タワーのオープンで全体開業

Hareza Tower(サンケイビル ニュースリリースより)
Hareza池袋 ホール棟('19年11月撮影)
としま区民センター('19年11月撮影)

池袋ではそのほか、講談社のLIVEエンタメビル「Mixalive TOKYO」が開業した。

池袋に講談社のLIVEエンタメビル「Mixalive TOKYO」

東武スカイツリーライン 浅草駅~とうきょうスカイツリー駅間では、鉄道高架下複合商業施設「東京ミズマチ」が5月に開業。あわせて、隅田川に新設する歩道橋「すみだリバーウォーク」が開通した。

浅草~スカイツリー間高架下の「東京ミズマチ」

東京ミズマチ ウエストゾーン 「LAND_A」イメージ
すみだリバーウォーク イメージ

立川では、立川駅北側「みどり地区」に新街区「GREEN SPRINGS」が4月から順次開業。多摩地区最大の2,500席規模のホール、ホテル、ショッピングエリア、オフィスなどを展開する。多機能ホール「TACHIKAWA STAGE GARDEN」は、屋内ステージと屋外ステージがあり、両ステージをつなげた屋内外一体利用ができる構造を特徴としている。

立川に新街区「GREEN SPRINGS」が'20年4月開業

GREEN SPRINGS イメージ

下北沢では、小田急小田原線の代々木上原駅から梅ヶ丘駅間の地下化による鉄道跡地の開発における「下北線路街」が進められ、その中で温泉旅館「由縁別邸 代田」が9月に開業した。35室の客室と、箱根の温泉が楽しめる露天風呂付き大浴場、割烹、茶寮、SPAからなる温泉旅館で、日帰り利用も可能となっている。

下北沢に温泉旅館「由縁別邸 代田」が9月28日開業

温泉旅館 由縁別邸 代田 イメージ

横浜に「パシフィコ横浜ノース」「JR横浜タワー」

横浜では、みなとみらいエリアに「パシフィコ横浜ノース」が4月に開業。横浜駅前に「JR横浜タワー」と「JR横浜鶴屋町ビル」が6月から順次開業した。

パシフィコ横浜ノースは、パシフィコ横浜に隣接するMICE施設で、正式名称は「横浜みなとみらい国際コンベンションセンター」。約6,300m2の大規模多目的ホールや、大中小42室の会議室を備える。

「パシフィコ横浜ノース」が24日開業

パシフィコ横浜ノース(パシフィコ横浜 ニュースリリースより)

JR横浜タワーはJR横浜駅と直結し、JR横浜鶴屋町ビルはJR横浜タワーと歩行者デッキで接続している。JR横浜タワーは地上26階、JR横浜鶴屋町ビルは地上9階。JR横浜タワーでは、商業施設「CIAL横浜」、「NEWoMan横浜」やシネコン「T・ジョイ横浜」を展開。JR横浜鶴屋町ビルでは、商業施設「CIAL横浜ANNEX」や、ホテル、スポーツ施設などを展開している。

JR横浜タワー、6月18日から順次開業

JR横浜タワー イメージ