ミニレビュー
充実のカメラと軽さが魅力の「Pixel 4a」
2020年8月19日 08:30
8月20日、Googleの新しいスマートフォン「Pixel 4a」が発売されます。特徴は、'19年発売のフラッグシップモデル「Pixel 4」(89,800円/税込)のカメラ機能やソフトウェアなど主要な機能を引き継ぎながら、42,900円(税込)と低価格化したことです。
つまり、最新のAndroidやGoogleサービスがいち早く提供されるPixelシリーズの最新機能が手に取りやすくなったということ。発売前に1週間ほど試用できたため、かんたんにレポートします。
軽さが魅力のPixel 4a
Pixel 4aとPixel 4の主な違いは、顔認証やジェスチャー操作に使う「Soli」が省略されたことと、Pixel 4で2つだった背面カメラが1つとなり、望遠ズーム機能が省かれたこと。ただし夜景モードやポートレートモード、超解像ズームなど主要なカメラ機能は継承しています。
ディスプレイは、5.81型/1,080×2,340ドットの有機EL(OLED)で、精細度は443ppi、アスペクト比は19.5:9。Pixel 4と比べてみて、外観上の違いが際立つのがインカメラの位置。ディズプレイの左上にパンチホール型のカメラを備えているので、見た目にもかなり印象が変わります。
外形寸法は144×69.4×8.2mm、重量は143gで、Pixel 4(147.1×68.8×8.2mm/162g)より少し小さい。特に手に持ってみるとPixel 4aの“軽さ”が印象的です。
主なスペックは既報の通り。プロセッサはQualcomm Snapdragon 730G(2.2GHz+1.8GHz)、64bit オクタコア Adreno 618。メモリは6GB、ストレージメモリは128GB。背面カメラは、1,220万画素、視野77度で、光学式および電⼦式⼿ぶれ補正機能を搭載。動画は4K/30fps、1080p(30/60/120fps)、720p(30/60/240fps)に対応します。
フロントカメラは800万画素、視野84度で、動画は1080p(30fps)に対応。NFCとFelicaに対応し、Google Payやおサイフケータイが利用可能。SIMはシングル ナノ SIMx1とeSIM。ステレオスピーカーとマイク2基を装備。充電はUSB Type-Cで、18Wの充電アダプタが付属。3.5mmのヘッドフォンジャックも備えています。
本体背面には指紋認証センサーを備え、指で画面ロックを解除できます。Pixel 4から顔認証が省かれていますが、マスク着用シーンが多い今年の夏で考えると、大きなデメリットではないかもしれません。
専用のファブリックケースが良い
実際に使ってとても良かったのが、同時発売のファブリックケース。70%以上にリサイクル素材を採用し、洗濯機で洗えるというもので、価格は5,280円(税込)。
ケース単体で触ると“紙“っぽくて剛性も頼りない印象で、正直「これで5,000円は高くない? 」と感じましたが、Pixel 4aと組み合わせると、しっかりとホールドできヤワな印象も一掃。さわり心地が良く、ホールドもしやすくなります。
また、ケースを付けてもPixel 4aの良さである“軽さ”は損なわれず、特に指紋センサーはケースを付けた時のほうが使いやすく感じます。Pixel 4aを購入する場合は、このファブリックケースもあわせて検討しても良さそうです。
Pixelシリーズならではのカメラ機能
Pixelシリーズの特徴とも言えるカメラ。メインカメラは、1,220万画素、視野77度で、光学式および電⼦式⼿ぶれ補正機能を搭載。また、デュアル露出補正、夜景モード、ポートレートモード、超解像ズームなどの機能も搭載し、望遠カメラが省略された以外は、Pixel 4とほぼ共通とのこと。
カメラアプリでは、通常の[カメラ]のほか、[夜景モード][ポートレート][動画][その他]の各モードが選択でき、タップしてモード切替可能。[その他]からは、[パノラマ][360°写真][スロモ録画][タイムラプス][レンズ]などの機能が利用できます。
機械学習やソフトウェア技術を生かした高機能・高画質というPixelシリーズの特徴は、Pixel 4aでも継承しています。夜かなり暗い環境でも高感度でしっかり撮影でき、さらに夜景モードも搭載。屋外でも夜景の撮影でも、相当にカメラ性能は高いと感じます。
余談ですが、今回レビュー用にPixel 4aの貸出をお願いしたところ、自宅にやたら大きな荷物が届きました。その中身は撮影ボックス。撮影台やLEDライト、背景シート、スタンドなど一式。
撮影環境が揃っている編集部(会社にもよりますが)と異なり、レビュー用機材も基本自宅で撮影します。そのため、よい環境できちんと機材を撮影してもらおうという配慮なのでしょうか。コロナ禍におけるブランディング? として、Googleはこんな細かいことも考えているのだな、と解釈しました。ただ、部屋が狭く、慣れない光源なので、正直うまく使えませんでした。
その中に「超解像ズームフィギュア」も同梱されていましたので、Pixel 4aの等倍と2倍、4倍、7倍の超解像ズームで撮影してみました。さすがに7倍は画質的にやや厳しくなりますが、デジタルズームとしてはかなり良い画質に見えます。
バランスの良い最新Androidスマホ
バッテリーは3,140mAh。よく使うアプリを認識して優先的にバッテリーを供給し、使用率の低いアプリのバッテリー消費を減らす「アダプティブバッテリー」により、最大24時間の動作が可能とのこと。夏休み中に、カメラとTwitter中心に使っていた限りでは、1日使ってもバッテリーは70%残っていました。
新しいGoogle アシスタントも搭載。英語の場合は、アプリの操作やメッセージの送信などを音声で行なえますが、日本語対応はまだ。Googleのサービスがいち早く提供されるPixelシリーズなので、このあたりの機能の日本語対応も期待したいところです。
Pixel 4との比較では、Soliや顔認証が省かれ、カメラも簡略化されていますが、価格差を考えれば問題無さそう。ただ、ワイヤレス充電の「Qi」の省略は、気になる人は多いかもしれません。
カメラの画質、PixelシリーズならではのシンプルなUIに加え、バランスのよいサイズと特にケース装着時の持ちやすさが印象的。42,980円(税込)という価格も、今後のAndoroidアップデート対応などを考えるとリーズナブルに感じます。