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ツルハHDとウエルシアHDが12月に経営統合 日本最大のドラッグストア連合に
2025年4月11日 19:29
イオン、ツルハホールディングス(ツルハHD)、ウエルシアホールディングス(ウエルシアHD)は11日、3社間の資本業務提携に関する最終契約を締結したと発表した。2025年12月1日を効力発生日とする株式交換により、ウエルシアHDはツルハHDの完全子会社となり、両社を合わせた売上高は2兆円超、店舗数は約5,500に達する見込み。なお、ウエルシアHDの上場は同年11月27日に終了する見込み。
この提携により、イオンは議決権の50.9%を取得してツルハHDを連結子会社とし、ヘルス&ウエルネス事業の中核企業に位置付ける。ツルハHDは、株式1株を5株とする株式分割を9月1日に実施予定で、株式交換と連動する形となる。なお、株式交換後に議決権比率が条件に達しない場合には、2026年1月に完了予定の公開買付けで追加取得を行なう方針。
3社は、医療や健康の地域格差の拡大、特に地方における過疎化の進行を踏まえ、ドラッグストアに対する新たな需要が高まると見込んでいる。生鮮食品や雑貨を含むワンストップでの買い物需要の増加に加え、調剤、介護、行政などのサービスを一体的に提供できる新たな仕組みの構築と出店を計画する。
今後は、各社グループが保有する店舗網、ノウハウ、物流システム、顧客データ基盤を最大限活用する方針。また、イオングループが有する中国・ASEAN地域での店舗網や調達網も生かし、海外展開の加速も図る。
業務提携の主な内容としては、店舗開発や調剤併設化、商品・電力の共同調達、物流効率化、決済・ポイントシステム、デジタルマーケティング、保険等に関する提携や、DX・EC推進、経営ノウハウの共有、PB商品の共同開発、人材交流などが挙げられる。3年間で約500億円のシナジー効果を見込む。
統合後の中期目標として、2032年2月期に売上高3兆円、営業利益率7%、営業利益2,100億円の達成を掲げる。また、両社でPB商品の拡充を進め、新たなPBブランドの立ち上げも見据える。データ活用の領域においてはツルハHDとウエルシアの持つ顧客基盤を掛け合わせると総計で1億人に達する。加えてイオンのデジタル顧客基盤を活用して、マーケティングを推進する。
当面の経営体制としては、ツルハグループは引き続き鶴羽 順氏が代表取締役社長を務める。また、ツルハHDとウエルシアHDについては、5月に行なわれるツルハHD定時株主総会において、ウエルシアから2名を執行役員として選出する。ほか、執行役員も複数の就任を見込む。商品や物流面でのシナジー創出にあたっては、ツルハHD傘下のツルハグループマーチャンダイジング(TGMD)を中核子会社と位置づけ、ウエルシアHDの機能や人員を一部移管する。
3社は、協業の実行状況を定期的に確認するステアリングコミッティや、中期経営計画を策定するプロジェクトを発足し、12月の株式交換効力発生時期に詳細を発表予定としている。
統合後もツルハHDは上場を維持し、独立性を確保した経営体制を継続する。2025年12月以降は、日本最大のドラッグストア連合体として、アジアNo.1を目指すグローバル企業への成長を見据える。