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カシオ、電子辞書の新規開発中止 市場縮小で

カシオ計算機は、電子辞書の新規開発を中止する。2025年3月期第3四半期決算の事業説明で明らかにされた。既存製品の生産は続けるが、大幅に縮小する。

第3四半期決算において収益性と成長性の観点で課題事業として挙げられたのが電子辞書事業。市場が急速に縮小したことから、構造改革として新規開発は中止し、既存製品は生産・営業体制を大幅に縮小する。「市場規模に合わせた生産を続ける」(広報部)としており、撤退はしない方針。

2025年3月期第3四半期決算の資料

カシオは電子辞書「EX-word」(エクスワード)シリーズを展開。2月には「情報I」のコンテンツを収録した高校生向けモデル「XD-SA4900」などを発売している。

JBMIA(ビジネス機械・情報システム産業協会)の統計によると、電子辞書の出荷台数や市場規模は2007年がピークで、減少を続けている。また、コロナ禍で教育現場のICT化が大幅に進み、PCやタブレットの利用が広がったことも市場の縮小に拍車をかけた。カシオの市場シェアは直近で約8割にまで上昇していたが、これにはメーカーが減少していることも影響しているという。