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ドコモ、銀行参入は「次の決算までに結論」 dカードPLATINUMは34.7万件

NTT島田明社長

NTTドコモが目指している「銀行」参入について、NTTの島田社長は、「次の決算発表までには結論を出す」と言及した。7日のNTT 2024年第3四半期決算発表で明らかにしたもの。

NTTドコモでは金融サービスを強化しており、決済サービスの「d払い」を展開しているほか、マネックス証券やオリックス・クレジットの子会社などのサービス連携を進めている。ドコモの経済圏に足りない「銀行」について、「金融サービスを使う上での起点」として買収を含めた検討を進めている状況だ。

NTT島田社長は、銀行参入についての質問に「銀行の話はいろいろな事を考えている」とし、「言葉は悪いが『帯に短し、襷に長し』で、いらない機能はいらない。必要な機能がほしいので、自分たちで新しい銀行を作ることを含め、次の決算発表(5月ごろ)までには結論を出していきたい。新しい時代のビジネスモデルにあった機能が重要。その機能をどう獲得するか。ふさわしくないもの(銀行)を持つのは重荷になる。そういうことを含めて考えていく」と説明した。

「必要な機能」については、「トランザクション。すでにマネックス証券を買収しており、オリックスクレジットもグループ内にあり、保険をOEMで提供している。それらをお客様が円滑にマネージできる機能が必要。それ以外の機能はあまり欲しくない。基本的にはシンプルなトランザクションができること。ただし、時間も考えなければいけないので、その場合は市場から獲得する。無理であれば自分たちで作っていく。いつまでも考えるわけにはいかないので一定期間の中で結論を出す」とした。

dカード PLATINUMは34.7万件

ドコモの2024年第3四半期決算発表は、営業収益が前年同期比1.1%増の4兆5,673億円、営業利益は7.6%減の8,339億円。スマートライフが拡大し、増収増益。コンシューマは増収・減益。法人は減収・減益となっており、スマートライフの成長が、モバイル通信サービス収入減などを補った形だ。

コンシューマ(通信サービス)においては、品質向上とともにeximo移行促進によるARPU向上を強化し、来期以降のコンシューマの回復トレンドにつなげていく。

スマートライフは、金融・決済において、カード会員獲得とd払い利用拡大により増収。エンタメにおいてもLeminoやdアニメストアが好調で増収となった。24年11月から展開している「dカードPLATINUM」の会員数は1月末時点で34.7万人と好調で、「金融・決済取扱高増にも大きく貢献した」という。また、第4四半期には若者向けのゴールド相当カード「dカード GOLD U」を開始予定。

dカード PLATINUMは34万件。dカード GOLD Uもまもなく開始

NTT島田社長は、dカードPLATINUMについて、「当初、ものすごい申込みをいただいてしまった。いまは34万で順調にカードをお配りできる体制になった。好評でありがたい。重要な事業であり、スマートライフの成長分野になっている。さらなる成長を目指したい」とした。また、Lemino等エンタメサービスの伸長により、金融サービスの新規利用や利用再開が拡大するなどの相乗効果も出ているという。

NTTの第3四半期決算は、営業収益が前年比5.4%増の10兆497億円、営業利益は同5.9%減の1兆3,992億円。

決算発表会見では、中国のDeep Seekや、ソフトバンクグループがOpenAIとともに進める「クリスタルインテリジェンス」についての質問も出た。

NTT島田社長は、「Deep Seekはよくわからない部分もあるが、LLM(大規模言語モデル)の提供時の競合となるので調べている。他のLLMと同様に負けないようなモノを作っていく。クリスタルインテリジェンスは、法人向けに作られていると聞いているが、具体的な中身はわからない。我々のtsuzumiに関しては、おかげさまで1,000以上の引き合いがあり、提案も600社以上。AIサービスの提供は100社ぐらいになっている。お客様の要望を聞きながら進化させていく。いまのtsuzumiは超軽量型のサービスだが、パラメータを増やしてほしいという要望もある。年内に新しいものを出していきたいし、内容の高度化も行なう。いろいろなAIが出てくるが、負けないものを提供していけるような体制を準備していく」と語った。