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NTT、着て外出できる“睡眠ウェア”を開発
2025年2月6日 18:45
NTT DXパートナーは、SOXAIと共同で経産省の実証事業に参画し、未来の睡眠をテーマにした新たな服「ZZZN SLEEP APPAREL SYSTEM」を開発した。大阪・関西万博への出展に先駆けて、2月7日・8日に都内の表参道で一般公開される。
「ZZZN SLEEP APPAREL SYSTEM」は、未来の睡眠を意識し「持ち運べる睡眠」をテーマに開発された“睡眠ウェア”。現在社会では心と身体が“オフライン”になる時間が減少していることに着目し、「情報社会との断絶による新たな休息の形」を目指して、一日の睡眠を複数回に分けてとる「分眠」機能を実現するのが特徴。PHRデータに基づき最適なタイミングで最適な分眠を促し、自然と健康になれる社会の実現を目指すとしている。
「ZZZN SLEEP APPAREL SYSTEM」には、指輪型デバイスなどのバイタルデータ取得機器から取得した健康データに基づき、ウェアに内蔵された音響設備と照明設備が本人の状態に合わせて動作し、眠気を誘うシステムが搭載されている。着たまま外出でき、日常的に身に着けることで、本人の健康データから最適なタイミングで機能が作動、20分程度の分眠と、その後の起床を自動的に促すシステムになっているという。
睡眠ウェアの動作
生体データモニタリングには、SOXAIが現在販売しているリング型デバイス「SOXAI RING 1」を利用。ユーザーの睡眠状態、ストレス値、心拍数などのPHRデータを記録するほか、個人のPHRデータと連動して、服に内蔵されたサウンドデザインと照明演出が作動する。
サウンドデザインは、ヘッドピースに内蔵された、高い密着性能で外界の喧騒を遮断するヘッドホンから、着用者の状態に合わせた入眠しやすい周波数帯域の2種類の音楽が再生されるというもの。
照明演出では、着用者の状態に合わせてチューニングされた明滅リズムで、入眠に最適な夕焼けの色に近い赤色灯照明や、覚醒時に目覚めを促す青色照明が作動する。
服のデザインは日本の防寒着「夜着」にヒントを得たもので、袖や裾のドローコード、袖口タブで圧着間を調整可能。中綿は光電子繊維を採用、軽量で保温性に優れる。
環境に合わせたモード変更が可能。ヘッドピース、フードと段階的に覆うことで、その時の眠気や温度、周囲の環境に合わせた服のモード変更が可能。着脱型エアパック入りのフードは、サポート構造で首元を支え、睡眠中の安定感を向上させる。
経産省の実証事業と情報連携基盤「PHR CYCLE」
両社が参画する経産省の実証事業は、PHR(Personal Health Record、個人の健康医療情報)サービス利用者の拡大とユースケースの創出をめざす「令和5年度補正PHR社会実装加速化事業(情報連携基盤を介したPHRユースケースの創出に向けた課題・論点整理等調査実証事業)」。開発にあたってはコネル(Konel)のサポートも受けた。
近年、さまざまなデバイスやセンサーが登場していることで、個人の健康医療情報(PHR)の取得が容易になり、サービス展開も加速している。PHRを活用した予防・健康作りの重要性は高まっており、新たな産業の創出や商品・サービスの質の向上が期待されている。
こうした流れを受け、経産省では複数のPHR事業者とサービス事業者間でのデータ流通を可能にする情報連携基盤「PHR CYCLE」を新たに構築、これまでにないユースケースの創出を目指している。創出されたユースケースは大阪・関西万博で展示し、体験できるようにする予定。
「ZZZN SLEEP APPAREL SYSTEM」の一般公開の日時は年2月7日〜8日、各日10時30分~19時30分。場所は東京都渋谷区神宮前4丁目27-6 Y.S.Jビル B1「Frame Gallery」。体験は事前予約制。
2025年大阪・関西万博での体験展示だけでなく、NTT東日本グループ施設内および関連施設などでの展示も予定する。また、「ZZZN SLEEP APPAREL SYSTEM」に関心のある企業などとコラボレーションし、商用化を目指すとしている。