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メルカリ、「不正利用の影響は正常化」 MAUは3%減の2279万人

メルカリは6日、2025年6月期 第2四半期決算を発表した。売上収益は前年比2%増の492億円、コア営業利益は同79%増の70億円となった。四半期GMV(総流通額)は2,960億円で前年同期比5%増。

マーケットプレイス事業のGMV成長率は前年同期比10%増を目標としているが、24年10月の気温が高く冬物商品の動き出しが遅かったことや、不正利用の影響などで、5%増にとどまった。ただし、ホーム画面刷新などのプロダクト改善により、後半にかけてGMVが伸長したという。売上収益は前年比2%増の289億円。

不正利用については、24年11月頃にメルカリのキャンセル・返品などの取引を悪用した詐欺的な手法により、「返品されたものの中身がない・別物だった」「すり替えられていた」などの被害が見られた。11月末にはメルカリ側が不正対策の強化を発表。積極的なサポートの関与などの体制を整備した。

この不正利用の影響について数字は公表していないものの、「取引を控える動きがあったため、デイリーユーザー数やGMVへの影響もあった」(メルカリ 江田清香CFO)とする。ただし、体制整備もあり現在は正常化しているという。

メルカリ 江田清香CFO

なお、MAU(月間アクティブユーザー)は2,279万人で前年比3%減。2四半期連続での減少となった。「MAUが頭打ちだと思っていない。越境などは成長を続けており、国内も拡大余地はある。ただし、不適切利用の対策などをより積極的にやっているほか、MAUの数より、アクティブに使う人を増やしていく方針。そのあたりがMAUが(伸びずに)拮抗する要因になっている」(江田CFO)。

マーケットプレイス事業の調整後コア営業利益は前年比7%増の113億円で、調整後コア営業利益率は同2%増の39%。なお、立ち上げ中でマーケットプレイス事業に含まれるスキマバイトサービス「メルカリ ハロ」を除くと、コア同営業利益132億円、コア営業利益率46%となる。

6日には、広告サービス「メルカリAds」も開始した。Adsの目標や収益規模は公開していないが、「業績にすぐにインパクトを出すというものではない。他の事業とのバランスを見ながら、伸ばしていきたい」(江田CFO)とした。

Fintechについては、「定額払い」の拡大で、コア営業利益は12億円。「継続的な増益フェーズ」となった。債権残高は2,133億円に達し、前年同期比+37%と順調に推移。売上収益は同19%増の128億円。

US(米国)事業については、GMVが前年同期比で27%減の456万ドルと大幅に減少。ただし、コア営業利益はマイナス1億円まで圧縮された。現在、抜本的な見直しを行なっており、25年4月からはグループCEOの山田進太郎氏がUS事業も統括する新体制に移行する。

USでは、24年4月には販売手数料無料化などの大きな施策を打ったが、この施策はうまくいかなかった。そのため、9月からは購入手数料を変動性から10%固定に変更し、さらに25年1月からは出品者の10%負担に戻すなど変更を続けている。「購入者が手数料を負担するモデルは、高価格帯商品の取引減少等のネガティブな影響が大きかった」という。

現在は、USメルカリの提供価値を見直し中だが、GMVは回復傾向とのこと。プロダクト改善による成長軌道への復帰とともに、早期のブレークイーブンを目指す。