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PayPay、PayPay銀行を子会社化へ 金融サービス強化

PayPayは、PayPay銀行の株式をLINEヤフーなどから取得し、銀行サービスを含めた金融サービスの連携強化や利便性向上を図る。

PayPayと、LINEヤフー、LINEヤフーの国内金融中間持株会社のZフィナンシャルは、PayPayを中心とした金融事業の拡大を目標とし、Zフィナンシャルが保有するPayPay銀行の普通株式とA種優先株式をPayPayに譲渡することを17日に決定した。これにより、PayPayは、PayPay銀行株を議決権比率で46.57%取得(A種優先株式転換後は75.28%)することとなる。効力発生は2025年4月1日。

決済サービスを軸に、ユーザー数は6,600万人、2023年度連結決済取扱高は12.5兆円を誇るPayPayは、'22年10月にPayPayカードを完全子会社化、'23年4月にはPayPay証券への出資を通じて、グループの金融サービスの連携を強化してきた。その一環として、PayPay銀行の株式を取得し、銀行サービスとの連携も強化していく。

PayPay銀行は、日本初のインターネット専業銀行「ジャパンネット銀行」として2000年9月に創業。'18年2月にはヤフー(現LINEヤフー)の連結子会社となり、グループ内の銀行機能を担っており、'21年4月には「PayPay銀行」へ商号変更している。PayPayアプリを通じて、簡単に口座開設が行なえるほか、PayPayによる給与デジタル払い対応サービス「PayPay給与受取」においても、給与受取口座の入金用口座番号としてPayPay銀行の機能を活用するなど、PayPayとの連携を進めている。

「金融」を中心にPayPayを強化していく中で、PayPayのミニアプリでのサービス連携だけでなく、PayPay銀行との一層の連携強化が重要であると判断。PayPayによるPayPay銀行株式取得を決定し、PayPayグループの各種サービスとの連携を加速させるほか、PayPayのデータや技術力を活用した商品・サービスの開発、アプリとの融合による新たな金融体験の提供などを目指すとしている。

LINEヤフーやソフトバンクなど、ソフトバンクグループにおける日本の金融事業はPayPayを軸に展開していく。楽天がフィンテック関連で楽天銀行や楽天ペイメントなどの連携を強化しているほか、KDDIがauじぶん銀行の完全子会社化を'25年1月に予定。NTTドコモも買収を含めた銀行サービスの強化に言及しているなど、通信各社における銀行を含めた金融事業強化が本格化している。