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京王電鉄、井の頭線で自動運転実証試験 ホームドアは全駅設置へ

井の頭線1000系

京王電鉄は、2025年春から、井の頭線で自動運転(ワンマン運転)の実証試験を開始する。また、自動運転設備を活用したワンマン運転の実施に向け、京王線における全駅でのホームドア整備工事と自動運転設備の整備工事も実施していく。

自動運転の実証試験では、より高度な安全・安心に向け、運転操作全般(加減速)を自動化し、均質な運転を行なうことで、定時性向上と省エネ効果を検証。また、駅停車時に使用する定位置停止装置(TASC)により停車精度を向上させ、ホームドア設置計画へ対応する。

運転士による出発ボタンの操作のみで自動で列車を加減速させることを想定

試験場所は、井の頭線全線(営業キロ12.7km)で、井の頭線1000系を走行試験車両として使用。回送列車時に運転士と車掌が乗務した状態で実施する。試験の結果は京王線での自動運転化にも活用する。

ホームドアについては、京王線全駅へのホームドア整備を決定。これまでは乗降客数10万人以上の駅などを中心に整備してきたが、全駅に拡大する。バリアフリーの観点から、列車とホームとの間の段差と隙間を縮小する対策も実施していく。

ホームドア
転落防止ゴムの設置(隙間縮小)
ホームのかさ上げ

ホームドア整備と自動運転化の推進により、将来予測される生産年齢人口減少や働き方改革がさらに進行した事業環境下でも、鉄道輸送の安全とサービスレベルを確保しながら持続可能な鉄道事業を目指す。