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楽天モバイル、AIチャット 「Rakuten Link AI」開始

楽天モバイルは、生成AIによるチャットサービス「Rakuten Link AI」の提供を開始した。利用は無料。「Rakuten最強プラン」の契約者向け専用アプリ「Rakuten Link」をリニューアルする形で提供し、同アプリは今後も機能を拡張していく。

「Rakuten Link」アプリのユーザーは、新たに用意されるホーム画面から「Rakuten Link AI」のアイコンをタップすることで利用可能。チャットでは楽天モバイルのサービスだけでなく、趣味や旅行などの情報、仕事のアイデアなど、幅広く質問できる。回答は、楽天がグループで独自に構築したデータベースを活用し「楽天モバイルならではの情報を提供する」という。

「Rakuten Link AI」は、「Rakuten Link」のAndroid版アプリにて10月31日から提供を開始している。iOS版は今後提供される予定。

「Rakuten Link AI」として提供される生成AIは、楽天が独自に構築したものとし、今後については他のモデルを含め柔軟に選択していく方針を表明している。1日のチャット数は上限50回でスタートするが、利用動向をみて変更も検討する。

「Rakuten Link」アプリは、リニューアルにより、楽天モバイルの契約内容を確認できるといった、情報連携も強化する。アプリアイコンも変更、新機能の拡充や今後の拡張方針を反映して、通話機能を象徴する電話の受話器のマークから、楽天グループのロゴを配したものになる。通話やメッセージ機能は引き続き提供されるが、より楽天グループのエコシステムを意識した内容で機能を拡張していく。

楽天エコシステムに生成AIを追加

31日に開催された発表会にて、楽天モバイル 代表取締役会長の三木谷浩史氏は、「ついに楽天モバイルの強みとして、AIを加えていく」と発表した。

AIの普及が始まった今は「歴史的な転換点に面している」と、社会的にも大きな変革期であると指摘。楽天としてすでにさまざまな場面でAIを活用していることを紹介したほか、エンドユーザーには、現在はまだ手薄といえる、個人にパーソナライズされたAIを提供していく方針も説明した。

三木谷氏はまた、法人ユーザー向けやパートナー企業向けなど、コンシューマー以外でもAIの提供や活用を推し進めていくことを繰り返し強調。すべてのユーザーに無料で提供するといった方針を含めて、「AIの民主化を行なっていく。楽天AIをオープンにしていく」と意気込みを語っている。

楽天グループ 専務執行役員 CAIDO(チーフAIデータ・オフィサー)のティン・ツァイ氏は、生成AIの提供にあたって、初期段階でディープラーニングに大規模な投資を行なったことを明らかにしている。そのことにより、楽天ユーザー向けにカスタマイズした提供ができるなど、柔軟な活用が可能になるとする。なお、今回の「Rakuten Link AI」の生成AIモデルは、OpenAIとの提携とは異なる取り組みとしている。

また今後、ビジネスユーザーに展開した後、フィードバックを得てさらに強化したものを再びコンシューマー向けに提供するロードマップも示された。「今日の発表は始まりに過ぎない。パーソナルコンシェルジュとして、すべての楽天のサービスにリンクできるようになる」(ティン・ツァイ氏)としており、楽天のエコシステムの中で最大限効果を発揮するような方向であることが語られている。