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日本郵便と楽天、買い物困難「オクシズ」地域で買い物支援実証

日本郵便、楽天グループ、タカラ・エムシーの3社は、日常の買い物が困難な静岡県静岡市奥静岡地域(オクシズ地域)において、各社のアセットを活用し、地域住民の利便性向上とコミュニティの強化を図る買い物支援サービスの実証運用を11月5日に開始する。

オクシズ地域は、多くの住民の自宅からスーパーなどの店舗が離れており、交通手段も限られているという、食料品などの日常の買い物が困難なエリア。特に自動車利用が困難な高齢者や、多忙な子育て世代にとっては、暮らしやすさの点で課題となる。

今回の実証運用では、日本郵便の会員制買い物サービス「おたがいマーケット」、および楽天が運営するネットスーパーのプラットフォーム「楽天全国スーパー」を活用。楽天全国スーパーに参画するタカラ・エムシーが運営する「フードマーケットマム ネットスーパー」で注文した商品を、日本郵便の既存物流網でオクシズ地域の拠点に届ける。

流れとしては、利用者が注文した商品を、フードマーケットマム ネットスーパーが店舗最寄りの郵便局まで運び、日本郵便が運行している集配車両の空きスペースや既存配達網を活用して、実証運用の受取先拠点に届ける。

持続可能なサービスとするためには輸送の効率化が必要であることから、受取先への配達は複数注文分をまとめて行なう。

サービス利用にかかる商品代以外の料金は、おたがいマーケット利用料金とフードマーケットマム ネットスーパー配達料の合計額。おたがいマーケットは月額990円、ネットスーパー配達料は1回の注文当たり税込5,500円以上で220円、5,500円未満で440円。利用に当たっては、おたがいマーケット会員登録、楽天会員登録および楽天全国スーパー利用登録が必要。

配達時間は注文日から3日後までの午後~夕方の間(受取時間は受取場所に準ずる)。8時までの注文の場合に限り当日配達が可能。実施期間は11月5日から2025年4月30日まで。

日本郵便は「ぽすちょこ便」での地産品配送も実施

日本郵便は買い物支援サービスとは別に、オクシズ地域から中心市街地への地産品流通の実証を、11月1日から2025年1月31日まで行なう。販路がなく流通が限られていたオクシズの農産物・加工品の流通促進を図る。

実証では、地域内の流通を支援する日本郵便の配送サービス「ぽすちょこ便」を活用。小規模農家などから地域の郵便局で預かった農産物などを、静岡市中心市街地の静岡中央郵便局へ安価に輸送し、飲食店や物販店等の買い手が受け取る。

日本郵便は買い物支援サービスとあわせ、オクシズ地域における買い物アクセスの向上と地域産業の振興が期待できるとしている。